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女性マーケターから見た日々の出来事

育休3年は、女性が望んでいるのかな?

2013-04-24 17:45:25 | アラカルト

日経新聞のWEBサイトを見ていたら「女性の育休3年延長」に対して、女性達の不安という記事があった。
育休とは全く縁が無い私であっても、不安な気持ちというのはよく分かる。

安倍さんが打ち出した「医療と子育て重視の政策」というのは、確かに政策として良いと思う。問題は、その内容だ。
特に子育てという点について言うと、基本的な考えは以前と変わらず「女性に育児をして貰いましょう」というコトのように思える。
確かに育児の中心は女性であるコトには変わりないのだが、「子育てをしながら仕事をしたい」と言う女性の考えと言うよりも、安倍さん世代のオジサンたちが考える「子育てのあり方発想」の政策、と言う気がするのだ。

「育休3年延長」以前に、「男性の育児休暇取得の促進」と言う点は、どうなっているのだろう?OECD加盟国の資料OECD「Doing Better For Familis Japan(注意:pdfファイル)の中でも、男性の育児休暇の取得の促進という指摘がされている。
それだけでは無く「育児中の女性の就労の低さ」も指摘されているのだ。
「保育園の待機児童を減らす」という取り組みは、されているものの、都市部ではなかなか進んでいない、と言う現状もあるとは言え、それだけの理由なのだろうか?

保育園が充実し、育休が3年になれば出生率があがるのか?と言うと、決してそうでは無いと思う。
むしろ「育休3年」という年数に拘るよりも、就労形態を複数にするコトの方が、遙かに女性としては働きやすいと思うのだ。
何故なら、「育休3年」が終わった後、自分が職場復帰できるのか?と言う不安をいつも抱えながら育児をするよりも、在宅やワークシェアなどによる短時間労働の方が、仕事との繋がり感を持ちながら育児ができる、と言う安心感があるからだ。

そしてこの様な、一見「国民のコトを思っていますよ政策」が発表される度に、この「ズレ感はどうしたものか?」と、感じるのだ。
おそらく、この様な政策をつくっている人は、育児環境がとても恵まれているか、子育てに参加していない人なのだろう。
であれば、何故、育児をしながら働く女性達に直接会って話しを聞かないのだろう?
「政策の考えは良かったのにね・・・でも、現実的では無いよね・・・」と言う政策に予算を投入するコトは、ムダのような気がするのだ。