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インバウンドには、何が必要なのだろう?

2018-05-06 20:31:55 | ビジネス

今日でGWも終わり。
昨日から本格的に始まった、帰省の帰りラッシュで高速道路は大渋滞のようだ。
自宅に到着した頃には、ヘトヘトになっているお父さんも多いかもしれない。

このような長期の休みになると、故郷に帰るだけではなく、観光地へと出かける方も多いはずだ。
特にGWは、お盆や年末年始と違い、帰省するよりも観光地へと出かける方のほうが多いのではないだろうか?
そのタイミングに合わせるように、興味深い記事がYahoo!のトピックスにあった。
出典は、Forbesだ。
Forbes:世界はいま「美術と観光」を求めている 北川フラム

インタビューの中心で語られている「大地の芸術祭 越後妻有トリエンナーレ」というのは、20年くらい前から始まった越後妻有地区で3年に1回開催される美術展だ。
地域全体が美術館のようになり、様々な美術作品が展示される。
中には、永久展示のようになっている作品もあったように思う。
最初は小規模な展示であったが、海外から注目され規模がどんどん大きくなり、その後全国各地で行われるようになった「地域全体を巻き込んだ美術展」の先駆けとなった芸術祭でもある。

北川さんのインタビューの中で興味深いのは「名所旧跡に行くことが観光ではない」と、話されていることだ。
むしろ「(これまで)あったことのない人と会い、これまで経験したことないことを体験する」ことが、これからの観光である、という点だ。
観光の中には、「名所旧跡を訪れる」ということも、確かに魅力的だと思う。
実際、京都など有名観光地に行けば、どこかしこも海外からの観光客であふれかえっている。
その反面、通訳ガイドをしていた知人の話では「(最近は)ガイドブックなどに紹介されていないような、日本の原風景が観られるような所に行きたがる欧州からの観光客が増えている」と、聞いたことがある。

北川さんの話されている「あったコトが無い人、これまで経験したコトが無いことを体験する」ということは、通訳ガイドをしていた友人が話すような目的を持った観光客を指しているのだと思う。
そしてそのような観光客は「爆買い」などで注目されることは無いが、徐々に増えているのでは?と、感じることがある。
それは、お盆や母の墓参りなどで帰省した時だ。
松江や出雲大社なども、海外からの観光客は確実に増えており、中には路線バスを利用して観光をする人もいる。
もちろん団体客と違い、目立つような増加ではないが、手つかずの日本の原風景やその土地に伝わる伝統芸能などを探し求めて観光をする海外からの観光客はいるのだ。

もう一つ考える必要があるのでは?という点が「芸術」という点だ。
日本全国「大地の芸術祭 越後妻有トリエンナーレ」のような、芸術祭を開催するには無理がある。
実際、地域を巻き込んでの芸術祭が、成功しているといえる芸術祭は、あまり多くないのでは?と、思っている。
名古屋+愛知県下でも開催されるのだが、思ったほどではないような印象を持っている。
と考えれば、地方で芸術祭を開催するのは、リスクなのではないだろうか?
視点を変え「自然の芸術」に着目するほうが、良いと思うのだ。
何故なら、日本には自然と共に根付いた地域文化を今でも伝えている地域が各地にあるからだ。
そしてそれらの地域文化は、どんどん減ってきているという現実もある。
だからこそ、そのような地域文化を海外へ発信することで、守っていくことができるのでは?と、考えるからだ。