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今の検査システムで良いのだろうか?ーPCR検査ー

2020-04-23 20:29:43 | アラカルト

女優の岡江久美子さんが、「新型コロナウイルス」による肺炎で亡くなられた。
志村けんさんが亡くなられた時も、大きな衝撃を社会に与えたが、同性としてまた同世代に近い岡江さんの訃報は、志村さんとは違う衝撃を受けた。

報道によると、岡江さんは「新型コロナウイルス」の感染検査を、なかなか受けさせてもらえる状況ではなかったようだ。
いわゆる「4日間自宅で様子を見てください」という、マニュアルに従い自宅で過ごし、状態が良くないので検査を受け「陽性」ということが判明し、その3日後、容態が急変した、ということのようだ。

以前からなんとなく感じていたのだが、「新型コロナウイルス感染検査」の窓口が、なぜ保健所なのだろう?
保健所の職員さんは、医療者ではない。
医療者ではないので、問い合わせに対して的確なアドバイスができるわけではない。
これは保健所の職員が悪いのではない。
元々専門知識を持っている方々ではないのだから。
とすれば、やはり専門家である医療者による窓口に、すべきではないだろうか?

イタリアで「新型コロナウイルス」が、急速に感染拡大をしたころ、WHOは「1に検査、2に検査、3,4も検査、5も検査」と、PCR検査の重要性を訴えていた。
確かに、WHOの「感染拡大」に対しての対応の遅れなどは否めないが、だからといってWHOから出されるメッセージを「信用ならない」と、決めつけてしまうのは良くない。
実際、積極的に検査を進めることで、「感染拡大」はしていても「死亡者数」を押さえることができているのであれば、それは検査による効果があった、と判断すべきだろう。

大切なことは「感染者数を少なくする」ということではなく、「(新型コロナウイルスによる)死亡者数を減らす」ということなのだ。
この「目的」を忘れてしまうと、その後のシステム運営だけではなく、市民に対する「警告的メッセージ」も、伝わらなくなってしまう。

確かに今の日本は「感染者数」も「死亡者数」も、諸外国に比べ多いという状況ではない。
だが、今の検査体制で今後もこのような状況が続くのか?というと、疑問な点がある。
その理由の一つが、「死亡原因が分からない(とされていた)突然死」の内、ある一定数の死者は「新型コロナウイルス」による肺炎であった、ということが分かってきたからだ。
この亡くなられた方々は、検査を受けることなく、自分がどんな病気であったのか?ということも分からずに、亡くなった方々だ。
何より「新型コロナウイルス」で亡くなられた方のご遺体はご遺族に見守られることなく、火葬されるほど厳重である必要があるにもかかわらず、このようなカタチで亡くなられた方のご遺体は、「死亡原因不明」ということで一般的な対応で終わっている。
ということは、このご遺体に関わったか方もまた感染しているかもしれない、というリスクを負ってしまっている、ということになる。

また、無症状であっても陽性者がいる、ということもわかってきている。
テレ朝ニュース:無症状でも約6%が陽性 慶応病院のPCR検査

とすると「無症状≠感染していない」ということになる。
既に「保健所」での検査受け入れは、限界がきていると思う。
とすると、早急に「検査システム」を変え、より多くの「陽性者=感染者」を見つけることで、死亡者数を減らすという方向に変える時期なのではないだろうか?
それが、多くの人の命を守ることになるのでは?と、考えている。