今週から東京で配布が開始された「アベノマスク」。
配布直後から「不良品」の指摘が、後を絶たない。
その内容は「髪の毛や虫が入っていた」というものから「マスクが黒ずんでいた」あるいは「黄ばんでいた」というものまで、実に様々だ。
あまりにも不良品の報告が多い為、既に配布されていた(?)妊婦さん向けのマスクは配布を一時停止にする、ということになった。
NHKニュース:妊婦向け布マスク配布を一時停止 一部に不良品 加藤厚労相
この妊婦さん用の布マスクが配布された頃から、製造が海外なので粗悪品なのでは?という、指摘がされていた。
今回の「アベノマスク」についてはともかく、今やアパレルに関していえば日本国内で製造されたものそのものを、購入しようと思えば、それなりの高額なものになってしまう。
ユニクロや一般通販で販売されているアパレルの多くは、今回指摘がされているミャンマーやベトナム、カンボジアといった国々で作られているモノが増えてきている。
「中国では?」と思われる方もいらっしゃるとは思うのだが、中国での人件費の値上がりにより、日本のアパレルメーカーは中国から中国以外の東南アジアの国々へと生産拠点を変えている。
だからといって東南アジアで作られたアパレル商品の質がのか?といえば、決してそのようなことは無い。
何故なら、日本から技術者が派遣され、技術指導に当たっているだけではなく、商品チェックも東南アジア諸国で問題無しの雑さ加減でも、日本では不良品として扱っているからだ。
とすると、今回の「アベノマスク」では、そのような商品チェックがされていなかったのか?という、ことになる。
「チェック体制が甘い=不良品が納品されやすい」ということぐらい、商社である伊藤忠や医薬品だけではなくマスクなども扱っている興和が、分からなかったのだろうか?
確かに今回の「アベノマスク」の全戸配布については、準備不足感は否めない。
いくら急ごしらえのマスクだとしても、不思議なほど「不良品」の数が、多すぎるくらいに出てしまっている。
このような事態が起きれば、これらのマスクを納入している興和や伊藤忠にとって、どれだけのイメージダウンになるのか?ということは、最初からわかっていたはずだ。
何故なら、伊藤忠は日本だけではなく海外でもビジネスを展開しているし、興和は医薬品や衛生用品の製造メーカーという立場がある。
伊藤忠のように、海外生産についてのノウハウがある企業がなぜ?医薬品や衛生用品を製造している興和がなぜ?と、思う方も多いだろうし、今回のことによってこの2社に対する信頼が薄れてしまった、ということもまた事実だろう。
日経新聞:未配布の布マスク全量回収 不良品問題で伊藤忠・興和
これから先、国内で厳重な検品を行う、といったところで、「今までは、何をしていたの?」ということになる。
再度製造し直すのであれば、サイズから見直し「使える布マスク」にする必要もあるだろう。
そして、今回の不良品回収によって発生する費用は、どうなるのだろう?
もちろん、不良品を製造したという点では伊藤忠や興和の責任となるはずだが、原資となっているのは税金であることには変わりない。
このような状況であるにもかかわらず、全戸配布を一旦中止にすることなく配布を続ける、というのも解せない。
安倍さんをはじめ政府が、意固地になってしまっているような印象だ。
これほど「問題が噴出した案件」であれば、一度立ち止まり考え直し、違うことを考える、ということをすべきではないだろうか?
これ以上のイメージダウンを避ける為にも。