アベノミクス効果で、円安傾向が続いている。
この様な円安傾向が続くと真っ先に取り上げられるのが、「輸出産業」の柱のように言われている自動車産業だ。
実際、昨年度の決算ではトヨタをはじめとして自動車メーカーは、大幅な収益増だった。
確かに、数字を見る限りでは「円安になって、海外で自動車が売れた」と、読めないわけではない。
しかし現実はどうやら違っていたようだ。
今日の日経新聞のWEBサイトに、トヨタ4月国内生産、1,4%減 8ヶ月連続減 と言う記事が掲載されている。
そして海外生産に関しては、10.7%の増加、と言う結果だ。
国内生産に関しては、トヨタだけでは無く日産は12.7%、ホンダに至っては34.5%も減少している。
おそらくトヨタ同様、日産もホンダも海外生産は、増加傾向にあるのでは?と、推察できる数字だ。
そう考えると、自動車産業は既に輸出産業では無くなってきている、と考えるべきではないだろうか。
国内で製造している自動車は、あくまでも「国内向け」のモノであって、昭和40年代のニュース映像で見られたような、大型船で港から自動車を一台一台載せ、輸出している、と言う状況では無い、と言うコトだと思う。
とすれば気になるのは、この円安傾向で値上がってきているはずの国内向け部品などの価格だ。
元々「日本は資源が乏しい国」だからこそ、輸出産業の発展が重要だった。
輸出が順調であれば、製品の原材料を輸入しても収益を上げるコトは可能だったが、原材料を輸入に頼りながら国内の経済事情にあわせる、となると部品などを製造している下請けなどは、随分厳しい状況に迫られているのではないだろうか?
もはや輸出産業の中心では無くなりつつある自動車産業。
そう考えると、アベノミクスで輸出産業が好調!と、手放しで喜べない様に思うのだ。
国内の中で循環できるような産業を創ると同時に、主要製造業では無い国内一環生産できる様な産業を創るコトが急務という気がする。
そうしないと「グローバル経済」という名のものと、日本経済の体力が低下してしまうのではないだろうか?
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