今日の新聞チェックをしていたら、とても気になる言葉があった。
「世界農業遺産」という言葉だ。
正しくは「世界重要農業遺産システム」と呼ばれ、国連の食糧農業機関が、選定する伝統的で、その地域に適した管理手法を用い、生物の多様性などにも配慮された「農業システム」を指すようだ。
国連食糧農業機関:世界重要農業遺産システム(GIAHS)
このニュースを聞いて、安倍さんというか自民党がTPP対策として挙げている「農業の集約と拡大」が、本当に日本の農業に合っているのだろうか?と、考えてしまった。
「農業の集約」というのは、判らない訳では無い。
全国各地にある耕作放棄地をそのままにしておくのでは無く、農業法人などに委託をし農業を継続させている意味は十分にあると思うし、場合によっては地域ごとに特色のある農作物ができる可能性も高い。
問題だと感じるのは、拡大というコトだ。
今回、この様な「農業遺産」の中に日本の農地が含まれる様になった、と言うコトは全国各地にあるで在ろう「千枚田」なども「農業遺産」登録を希望して、動き始めるかも知れない。
そうなると、安倍さん(と言うか、自民党?)の言う「大規模農業」とは真逆の動きとなってしまう。
何故なら、この様な国際的に貴重とされる「資源」となれば、その「資源を活用して、地域の活性化をしたい」と考える自治体の方が多いとおもうからだ。
真っ先に上がるのは、「観光資源」としての活用だろう。
他にも「フィルム・コミッション」という活動も、地方では目立つ。
映画の撮影協力をするコトで、観光などの誘致活動を行いたいと言うコトだ。
農業という点だけで見れば、効率が悪い地域であっても他の視点を得るコトで、全く違う産業が生まれる可能性がある。
と同時にこの様な「遺産」に選ばれるコトで、風景に不釣り合いな人工的な建築物などから、その地域の風景に似合ったまちづくりというコトも考えられる。
農業の新しいカタチとして「第6次産業化」というコトが言われて久しいが、「第6次」どころか、もっと複合的な産業をつくり出すコトで、TPPと言う問題だけではなく、衰退する農村部が抱える問題を、わずかながらでも解決させるコトができるかも知れない。
「拡大路線」というと、経済の発展と結びつきやすいような気がするが、せっかく国際機関からの「お墨付き」をもらったのだ。
それを上手に利用して、「拡大路線」ではない地域産業と言うモノを考えるきっかけにして欲しいと思うのだ。
もちろん、こういう「クールジャパン」もある、とPRもして欲しい、と思っている。
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