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睡眠関連市場が熱い?

2022-10-25 21:36:06 | マーケティング

きょうの日経新聞のWebサイトを見ていたら、意外な方が「睡眠」についてのコラムを書かれていた。
日経新聞:夜に眠れない日本 睡眠負債が生産性や利益率を押し下げ (会員向け有料記事)

「生産性」や「利益率」という言葉から、ビジネスの第一線で活躍をしている経営者と思われた方もいらっしゃるかもしれない。
ビジネスの第一線で活躍をしている経営者であることには変わりないのだが、このコラムを書いたのは元陸上選手の為末大さんだ。
現役を引退後、為末さんは「街中で陸上競技会を開催」するなど、これまでのようなスポーツ選手とは違う、活動をしてきている。
スポーツの分野とはいえ、スポーツクラブなどの経営に携わったりしている、指導者であり経営者でもあるのだ。
そんな為末さんだからこそ「生産性」や「利益率」という言葉も自然な印象を与えるのだと思う。

そんな為末さんが書いている「睡眠負債」という言葉だが、ここ2,3年でよく聞かれるようになった言葉の一つだろう。
日本は、韓国同様「睡眠時間が短い国」として、話題になったこともある。
西川:日本人の平均睡眠時間は?世界の睡眠事情を詳しく解説! 

大手寝具メーカー・西川だけにこのコラムの内容は、濃い。
「夜しっかり睡眠をとり、昼間活動をする」というのが、理想だろう。
それは「日々の疲労回復」という点でも、有効なことだからだ。
睡眠時間が短いことで起きる問題の一つが、おそらく「常に疲労を感じている」という、疲労の蓄積が生産性を下げ、それが利益率を押し下げるという要因になっている、と考えれば納得できる。

このような「日本の睡眠事情」と「睡眠と疲労による生産性の低下」などから、昨年あたりから新しい「睡眠関連市場」が注目されるようになってきている。
その口火を切ったのは、おそらく「低反発寝具」として話題になったテンピュールだろう。
このテンピュールの低反発寝具がヒットしたことで、寝具市場は「低反発寝具」を一斉につくるようになった。
そこに風穴を開けたのが「高反発寝具」のエアウェーブだ。
浅田真央さん等、スポーツ選手を広告に起用するコトで「睡眠がスポーツのパフォーマンスを左右する」という、「睡眠と活動」ということを結びつけることとなった。

このような「寝具市場」だけが、「睡眠市場」を作ってきたのか?と言えば、決してそうではない。
地味(?)ながらも、「睡眠サプリ」と呼ばれる市場も、数年前から業界では注目されるようになっていた。
実際ドラッグストアーなどに行くと、「眠れない人の為の〇〇」というポップ広告を目にする。
「睡眠薬」には抵抗感があっても、「サプリ」であれば体への影響も少ないのでは?ということで、「睡眠サプリ」の市場はネット通販を中心に広がりつつあるようだ。

それは、食品の分野にも広がりつつある、と感じている。
この夏ぐらいから「ヤクルト1000」が、スーパーなどで売り切れ状態になり、(なぜか?)オークションサイトで高額な価格で取引をされている、と話題にもなった。
ご存じの通り「ヤクルト」は、いわゆる乳酸菌飲料だ。
独特の形状の容器に入り、容量としては決して多いわけではない。
その「ヤクルト1000」が注目されるようになった理由の一つが、「睡眠改善と疲労回復」という効果だったのだ。

以前から「乳酸菌飲料」の市場は拡大しつつあり、その中でも「機能性」を謳う商品がここ数年で飛躍的に増えている。
そのため「機能別」に「乳酸菌飲料」を選ぶ人も増えているのではないだろうか?
そして今年に入り、「ヤクルト1000」の機能と同様の「睡眠と疲労回復」を謳う、乳酸菌飲料が増えているのだ。
以前、若者の間で愛飲し過ぎて問題となった「エナジードリンク」を、上回るヒット分野になるかもしれない。
違う視点で見ると、それだけ日本人は「熟睡という質の良い睡眠がとれず、疲労が蓄積する生活」をしている、ということを示しているように思える。



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