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資本論と社会的公平性ーアフター・コロナ社会を創っていくもの‐

2021-02-22 19:18:20 | ビジネス

先日、マルクスの「資本論」について拙ブログでエントリさせていただいた。
この時は、ミヒャエル・エンディの「モモ」に登場する「灰色の男」の存在が、今の資本主義社会の歪みの一つである、という内容を書いた。

NHKの「100分de名著」の「資本論」では、これまでの「資本論」で述べられている内容とは別のことが書かれている。
それは、マルクスが今の「SDGs」に近い考えを持っていた、という点だ。
この内容については、マルクスが遺したメモや研究ノートなどに書かれていた内容で、MEGAというマルクスの研究チームによって追加されることになるようだ。
私たちが知っているマルクスの「資本論」とは、異質な考えをマルクス自身は持っていた、ということになる。
ただ、マルクスが考えていたものは「SDGs」よりも、もっと踏み込んだ「公平性のある社会」ということのようだ。

そんな時、科学系の本「ブルーバックス」のサイトの記事が、目についた。
ブルーバックス連載読み物:コロナ禍の今こそ、全世界に「行動変容」のムーブメントを

「新型コロナ」という感染症は、これまでの生活スタイルを大きく変えざる得ない状況をつくり出した。
例えば「リモートワーク」は、「会社に出社しなても、仕事ができる」ということを、ある程度示すことになった。
もちろんこれは「3密を避ける」という、「新しい生活様式」に求められるようになった結果から生まれた「新しい働くスタイル」だと言えるだろう。
それがもっと発展した「ワーケーション」と呼ばれる、働く(ワーク)と休暇(=バケーション)を合わせたような働き方まで、言われるようになってきた。

「100分de名著・資本論」で興味深かったことは、「資本主義が人を破壊し、自然を破壊している」という指摘をしていたことだ。
そしてブルーバックスの「行動変容」もまた、同じ指摘をしているのでは?という、気がしたのだ。
だからと言って、これまでの便利な生活を手放すということは、おそらく難しいだろう。
24時間いつでも買い物ができるコンビニ。
「深夜ネットのECサイトを見てポチった商品が、翌日に届く」等というサービスは、本当に便利なのか?ということ見直す必要があるのでは?という指摘なのだ。

24時間いつでも買い物ができるコンビニしかり、深夜ポチった商品が翌日届くサービスしかり、そこには様々な人達が介在し出来上がっているシステムであり、そのシステムの便利さによってエネルギーや人に無理をさせているのではないだろうか?ということなのだ。

1970年代、オイルショックによってテレビの放送時間が0時で終了する、ということがあった。
0時になると、NHKは日の丸の旗がはためく映像と君が代が流れ、放送が終了した。
だからと言って、不便だったのか?と言えば、さほど不便さを感じることは無かった。
おそらくそのようなコトなのだと思う。
行き過ぎた便利さに慣れてしまい、行き過ぎた便利さが無くては生活ができない、と思い込んでいるだけで、深夜ポチった商品が翌日届かなくても、さほど支障をきたすようなことはないはずなのだ。
むしろ、今は「自己欲」に振り回され、自分の言う通りになることが当たり前だと、勝手に思い込んでいるのではないだろうか?

「100分de名著・資本論」の解説をした斎藤幸平さんは、マルクスが指摘した「資本論」の中には「(人は)際限のない欲に振り回されている」という趣旨のことを書いていた。
「際限のない欲」を少し手放すことが「行動変容」につながるのでは?
そんな気がしている。



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