今日のお昼、円安が進み1ドル=130円台になった、というニュースがあった。
日経新聞:日銀「粘り強く緩和継続」円安加速131円台
実に20年ぶりの円安、ということになるようだ。
とはいえ、20年前と今現在とでは社会状況が大きく違う。
社会状況だけではなく、日本を取り巻く経済環境も大きく変わってきている。
20年前というと、今ほど社会が閉塞感に包まれてはいなかった、ような気がする。
もちろん、バブル経済崩壊から、復活の兆しが見えてはいない、という状況ではあったが、少なくとも生活者の「気分」はもう少し明るかったような気がするのだ。
その大きな違いは、やはり「コロナ禍」という部分が大きいだろうし、他にも「ロシアによるウクライナ侵攻」という、世界的な不安定要素が以前よりも身近になっている、ということもあるだろう。
背景にあるのは、情報そのもののグローバル化という点と、やはり「コロナ禍」に対して「将来的ビジョンが見えない」という点が大きいような気がしている。
何より、この20年以上日本の生活者の「所得」そのものが、目減りし続けているという点も大きいのでは?
その間、企業の内部留保が過去最高を更新(今回の「コロナ禍」で打撃を受けた企業は多いはずだが)しているにもかかわらず、生活者に還元されることのない20年間だった。
このような20年間の中で、日銀が続けてきた「金融緩和策」だが、本当にこのまま続けてよいのだろうか?という、疑問がある。
この円安状況になっても、日銀の黒田総裁は「粘り強く緩和継続」を表明している。
この「緩和政策」に対して、野村総研等は疑問を呈している。
野村総研:1ドル130円は通過点。市場機能を損ねる日銀金融政策の弊害が急激な円安を招く
野村総研の記事は、金融を中心とした日本経済を見るレポートになっているが、この20年間で実質賃金が低下している中で、円安により様々な物が値上がり、生活者への経済的ダメージはじわじわと大きくなってきている。
それはガソリンの値上げであったり、輸入に頼っている食料品、国内で生産される物であっても飼料等の値上げにより、乳製品等の値上げは避けられないだろう。
他にも、原材料を輸入に頼っている工業製品は、下請け・孫請け・曾孫請けと企業規模が小さくなるにつれ、受ける影響も大きくなる。
このような状況がすでに想定できる状況になっていながら、補助金以外の経済政策を打ち出すことができないのは、何故なのか?
「コロナ禍」でダメージを受けた業種だけではなく、日本の基幹産業(といまだに位置付けている)にまで、ダメージを受けてしまうのでは?と、不安を覚える人達も多いのではないだろうか?
明日からGWだが、楽しいGWとは程遠いGWになってしまうのでは?という気がしている。
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