朝日新聞に「ポストコロナ」のあるビジネスのカタチになるのでは?という、記事があった。
朝日新聞:「食直しで世直し」訴え、生産者と消費者をつなぐ ポケットマルシェCEO 高橋博之
「ポケットマルシェ」というサイトに気づいたのは、実はテレビの料理番組だった(ここでもTVerのお世話になっている・苦笑)。
番組の途中で「生産者の皆さまを応援しています」というMCが入り、この「ポケットマルシェ」の検索画面が出たからだ。
後で確認をすると、この料理番組で使う食材の一部をこの「ポケットマルシェ」から、調達していたことが分かった。
興味を持って「ポケットマルシェ」のサイトを確認すると、農・漁・畜産物の生産者が個人的に登録をし、直接消費者に届ける、というシステムのようだ。
そして朝日の記事を読んで、この「ポケットマルシェ」の代表を務める高橋さんが、「東日本大震災」で大打撃を受けた東北の農・漁・畜産の支援として始めた「東北食べる通信」の仕掛けをされた方だと知り、納得ができた。
随分前に拙ブログでも紹介をさせて頂いた「東北食べる通信」は、その後様々な地域の「食べる通信」を発行することになる。
ご存じの方もいらっしゃると思うのだが、この「東北食べる通信」は、「通信」という名にたがわず冊子がメインなのだが、オマケとしてついてくるのが、地域地域の農・漁・畜産だった。
もちろん、書店で販売しているわけではなく、ネットで「食べる通信」を購入すると、冊子で特集されていたオマケが送られてくる、という仕組みだったと記憶している。
日本の農・漁・畜産は、個人経営が多く、事業の安定化の為にあるのが、「農協・漁協」といった生産者の集まりの「協同組合」だ。
その「協同組合」が、震災などで機能しなくなってしまうと、生産できるが販売先が無くなりとたんに事業が継続できなくなってしまう、ということが起きてしまう。
他にも「農業法人」のように、生産量が多くない農家が集まり「法人化」しても、同様のことが起きるはずだ。
だからこそ「東北食べる通信」は、「生産者と消費者を直接つなぐ」ということで、この問題を解決しようとしたのだ。
「東北食べる通信」の発展型が、「ポケットマルシェ」ということになる。
特定の飲食店と契約をし生産者が直接販売をする、という方法は生産者にとっても飲食店にとっても、大きなメリットがある。
一つは、飲食店が希望する農作物を少量・多品種で作ってくれるだけではなく、市場に出にくい食材を調達することができる。
それが、飲食店側にとって大きな「ブランド力」にもつながる場合も多い。
有名なところでは、山形のイタリア料理店「アル・ケッチャーノ」だろうか?
そのような形態で、生産者と飲食店などが繋がっていたのが、崩れてしまったのが今回の「新型コロナウイルス」による感染拡大ということになるだろう。
既に「東北食べる通信」で、ある程度の顧客(=個人のファン)をつかんでいたことで、「ポケットマルシェ」へとスムーズに展開ができたのだろう。
そして今回の「新型コロナウイルス」により、このような「生産者と生活者を繋ぐ」という方法が、注目されるようになったのは、拙ブログに来てくださる方ならご存じの通りだ。
おそらくこのような「生産者と生活者を繋ぐビジネス」は、今後定着していくのではないか?と、考えている。
何故なら、以前から言われている「顔が見える」ということがある。
そして生産者のファンになった生活者は、定期的にその生産品を購入するだろうし、結果生産者側にとっては安定的な経営をすることにつながるからだ。
もう一つこのような「生産者と生活者がつながる」ことによって変わっていくのは、「食品ロス」等の問題を含むSDGsなどとの関わりにも繋がっていき、生活者の意識も大きく変る切っ掛けとなるのではないだろうか?
「農協」等の「協同組合」や、卸業者が無くなるとは思わない。
ただ日々の暮らしの中で「これだけは生産者から直接買いたい!」というモノを、「物」としてではなく「物にまつわる物語」として購入する生活者が、増えていくのではないか?と考えている。
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