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「多様性のある組織」が企業価値を高める?

2023-06-29 19:54:49 | ビジネス

昨日エントリをした「人的資本の情報公開」について。
今日が、株主総会のピークだったようだ。
今日の株主総会で、初めて「人的資本の情報公開」という項目が、明記され公表した企業のピークであった、ともいえる。
参加した株主さんたちのうち、どれほどの人が「人的資本の情報公開」という項目に、注目されたかは分からないが数年後には定着し、企業経営の一つの指針と見られていくかもしれない。

昨日のエントリでは触れなかっただが、この「人的資本」の中には「多様性」ということも含まれているかもしれない。
というのも、「多様性のある企業は(企業経営の)健康度が高い」かもしれないからだ。
Huffpost:多様性を理解する脳は、健康度が高い?組織経営における3つのメリット【研究結果】 

日本の企業でも「多様性の重要性」のようなものは、随分前から言われてきたように思う。
その時代ごとに言葉は違ってきているが、最近までよく使われていた言葉が「ダイバーシティ」だろう。
そして、先日「問題が多い」と批判されながらも(強引に)成立した、「LGBTに関する法案」等も、「(建前として)日本も多様性のある社会になっている」という、コトを示す為だったのだろう。
NHK:LGBT法案 与党案の修正案衆院本会議で賛成多数で可決

とはいっても、現実はどうなのだろうか?
日本のジェンダーギャップは年々下落し続けている。
障害を持った人達が、自立した生活ができるような支援施設は数少なく、大手企業が雇用をしてはいるが、その実能力に合わせた働き方とは言い難い、という指摘が再三されてきている。
LGBTの人たちだけではなく、海外から「研修制度」で来日した人達に対しても、同様だろう。
そう考えると、日本の現実は「多様性」とか「ダイバーシティ」とは、随分離れている社会である、ということになる。

このような書き方をすると、「そんなことは無い!」と思われる方も、いらっしゃると思う。
問題なのは「制度」や「言葉」ではなく、これらの「多様性の本質を頭で理解し、心で納得し、行動するコトができているのか?」ということなのだ。
Huffpostの記事では、最初の「多様性の本質の理解=寛容性」と「行動」が、脳に良い影響を与える、ということを指摘しているのだ。
多様性を認める=他者に対する寛容性だと考えると、脳はフル回転で相手に興味・関心を持ち、理解しようとしているはずだ。
結果として、多様な視点が生まれたり、問題解決の糸口を見つける事ができる「柔軟性に富んだ脳」を動かすことができるようになる。
言葉や制度としての理解ではなく、脳と心の理解と納得が無くては、このような「柔軟性のある能」は、育たない(と思われる)。

先日、面白い記事を読んだ。
それは、江戸時代の日本人の識字率の高さについてだ。
Yahoo!トピックス(AERA dot.):「学年なし」「時間割りなし」だった江戸時代の教育、世界一識字率は「多様性」が支えていた 

一部では「寺子屋」がある地域では、識字率が高かったかもしれないが農村などでは、そのような状況ではなかった、という説もあるだろう。
ただ、「寺子屋」という日本独自の教育スタイルは、その後欧州の教育が熱心な国でも考えとしては取り入れられているのでは?
「児童生徒の学習速度に合わせた個別学習」という、考え方そのものだからだ。
そのような国の多くは、多様性のある国々であるということもご存じだろう。

あくまでも一つのヒントだが、「寺子屋」のような企業文化を持つことが、多様性を認め合え、より柔軟な知性が集まる組織となり、それがより企業価値を高める、ということになるのではないだろうか?
少なくとも、精神疾患で休職する人達が多い企業は、組織として硬くなっていると、考えた方が良いのかもしれない。



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