今朝、ネットニュースなのでも取り上げられていたのでは?と思うのだが、「日本のGDPが55年ぶりにドイツに抜かれ4位になった」、という報道があった。
私は、朝のFM番組を聞いている時にこの話題を知ったのだが、驚きというよりも厳しい現実を改めて知らされた気がした。
Bloomberg:GDP規模で日本は4位に転落、ドイツに抜かれる‐IMF23年予測
今の日本の経済状態を考えれば、「GDP4位」というのも納得してしまう部分はある。
それほど長い期間「景気が良い」と、実感することもなく、逆に「景気低迷」という言葉ばかり、ここ30年近く聞いてきた気がするからだ。
もはや「景気低迷」という言葉は、日本経済を表す枕詞のようになってしまっているのかもしれない。
そんな感覚を持っている方も、少なくないのでは?
バブル経済が崩壊以降に生まれてきた人たちは、「生まれて一度も「好景気」という言葉を聞いたことが無い」ということになると思う。
それほど長い間、日本の経済状況は衰退の一途をたどっている、と言っても過言ではないかもしれない。
逆に、30年以上もGDP3位であったことの方が、奇跡かもしれない。
勿論GDPはドルベース換算なので、円安傾向にある今日本にとって不利な面もある。
ドルだけではなくユーロに対しても、円安傾向となっているのも、ドイツに抜かれた原因の一つと、考えても良いだろう。
問題は「円安だから」という理由ではない。
日本が、国際経済の潮流から遅れを取り始めている、という見方もある、ということだ。
例えば「グリーンエコノミー」と呼ばれる「循環型社会を支える産業への投資」の遅れ、「非課税世帯に象徴されるような、生活弱者の経済的自立を促す」ことが不十分等が、あるのでは?ということだ。
「生活弱者の経済的自立を促す」と言った時、日本では「給付金や税の軽減・免除」を選択しがちだが、これらの社会保障費の原資が「税金」である、ということを考えると、今の生活者の中には「不公平感」を持ちやすい、という状況なのでは?と考えられる。
一部統計によれば「非課税世帯」の多くは、65歳以上の「高齢者世帯」であるという指摘がある。
「定年退職後も働かせるのか!」とか「今まで一生懸命に働き、納税してきたのだから、これくらいの恩恵があっても良いだろう」という、気持ちは分かる。
分かるのだが、「高齢者にとって望む暮らし方」を改めて洗い出し、見直すことも必要なのではないだろうか?
場合によっては「福祉の充実」ということで、「非課税世帯」を減らすことも、視野に入れる必要があるかもしれない。
何よりIMFが示しているデータの中で注目すべき点は、「ドイツが前年比8.4%増」なのに対して、「日本は前年比0.2%減」ということだ。
金額ベースでみると、差額ばかりに目を奪われてしまうのだが、「増減」という視点で見ると、「日本とドイツの差は8.6%」あるということになる。
この差を上述したように、単純に「円安だから」という言葉でかたずけられるのか?という、ことなのだ。
ジワリジワリと、日本の生産力が落ちてきている、とも読み取れるし、日本の産業構造が今のような国際市場に合わなくなってきている、とも考えられる。
これから産業界が求められるのは、「生産する」ということだけではなく「時代にあった、何を国際市場の中で生き抜けるモノ・コトを創り出していくのか?」ということかもしれないし、政治はそれを後押しするような経済政策を行う必要があるのでは?
いつまでも「バラマキ型経済政策」では、行き詰ってしまうのは目に見えているように思う。
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