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時代が遡っているのか?‐米最高裁、半年ぶりに中絶禁止‐

2022-06-26 21:55:47 | アラカルト

先日、ブラジルでレイプをされた11歳の少女が妊娠をし、中絶を希望したにもかかわらず、裁判で認められなかった、というニュースがあった。
Huffpost:性暴力で妊娠した11歳の少女に「もう少しの我慢を」。中絶を認めなかった判事に波紋 ブラジル

ブラジルでは、中絶を認めているのが21週までと決まっている為、このような判決となったということのようだが、それ以外の理由もあったのでは?という気がしている。
それは「宗教」との関連だ。
基本キリスト教は、中絶を認めてはいない。
そのため、キリスト教徒が多い国等は、中絶を今でも認めていないと、言われている。
そして中絶を認めないという裁判が、米国であった。
日経新聞:米最高裁、半世紀ぶりに中絶禁止容認 分断政治が引き金

この日経の記事の見出しとなっている「分断政治」というのは、トランプ前大統領が引き起こした「共和党 vs 民主党」という、政党的な支持の分断というだけではなく、経済の格差や宗教観等にも影響を及ぼした結果、米国内に「様々な分断が起きた」ということを指している。
米国の大統領選の頃になると、拙ブログでも言及させていただくことがあったのだが、共和党の支持母体となっているのが、クリスチャン系の福音派と呼ばれる人たちだ。
この「福音派」と呼ばれる人たちの票田を取りまとめる事ができるか・否かによって予備選挙から大統領選に至るまで、大きく変わるといわれてきている。
それほど政治と宗教は、大きな関わりを持っている、と言っても過言ではない。

「政治に宗教が大きく関わっている」という視点で考えれば、米国の生活者の価値観が変わっている、あるいは政治的な意図があり、福音派等の宗教に配慮をすることで、政治の中心の保守化が進んでいる、ととらえる事ができるからだ。
と言っても、この影響はトランプ前大統領の影響が残っているのでは?とも考えられる。
バイデン大統領が焦るのは、この秋に予定されている「中間選挙」に対する影響の大きさだろう。

何よりこれまで共和党出身の大統領時代であっても、今回のような「中絶禁止」という判決は無かった。
ということは、上述した通り米国の政治を取り巻く状況の中には、まだまだトランプ氏の影響力が残っているだけではなく、むしろ過激になってきているのでは?ということも考えられる。

「女性の生む・生まないの権利」だけではなく、「マッチョな男性主義」的な思考が米国に広がりつつあるという、社会変化に目を向ける必要があるように感じている。



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