ここ数日、新聞を読んでいてある企業の名前を見るコトが何度かあった。
新聞の記事の内容は、「中小企業だからこそ、ブランド力が必要」と言うモノ。
登場する企業は、奈良にある「中川政七商店」。
HP:中川政七商店
現在の社長である中川淳さんが、「中小企業だからこそ、ブランド力が必要」と考え、全国の衰退(と言っては失礼だが)しそうな業種の中でも何とか活路を見いだそうとしている事業者に訴えている、と言うのが記事の趣旨。
数年前、奈良へ友人と旅行に行ったとき(目的は「采女祭り」)市内を散策している時に、中川政七商店を見かけた。
その店構えからは、とても「蚊帳」の製造・販売のお店とは思えず、きれいに並んだ「蚊帳」の生地で作られた「ふきん(「かやふきん」と一般的には呼ばれている)」も、それまでの「ふきん」というイメージではなく、何となく可愛らしいキッチン用品、と言う感じだった。
その当時は、名古屋の百貨店などでは見かけることが無かったのだが、ここ2,3年で随分見かけるようになり、私のほうがビックリしていた。
その中川淳さんが、「日本の工芸品を元気にしたい」という思いで始められたのが、「日本市」というコンセプトブランドのようだ。
考えてみれば、日本の工芸品というのは実に多彩で、とても細やかなモノが多い。
米国のオバマ大統領の奥様、ミッシェル夫人がオバマ大統領就任後のパレードで着ていたニットのカーデガンは、日本の糸で作られたモノだったと思う。
製品としては知る人ぞ知る力があっても、それを商品として生活者に届けることが苦手なのが、日本の中小企業なのかも知れない。
その様な思いから、中川淳さんが「日本市」というコンセプトブランドを立ち上げられたようだ。
考えてみれば、日本でブランド力があるとされている分野は、いわゆる「工業製品」が中心。
しかも、今では「大企業」となった企業ばかりだ。
日本の産業構造が、価格競争に晒されやすい工業分野から他の分野へと変わろうとしていることを考えると、日本の中小企業はこれまでの「物づくり」では無い「ものづくり」へと変わる必要がある。
それが中川さんの言われる「中小企業こそ、ブランド力が必要」といことなのだと思う。
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