一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第5期マイナビ女子オープン一斉予選対局③・山口恵梨子女流初段、室谷由紀女流初段登場!!

2011-07-19 00:15:10 | 観戦記
井道-石本戦は、井道の勝ちだった。
終わってみれば、私の勝者予想は11勝1敗。意外と考えやすかったようだ。
「でも次はむずかしいでしょう」
と言ったのはLPSAのスタッフ氏だったか。
「大丈夫ですよ。LPSA組をすべて負けにすると、だいぶ予想はラクになります」
LPSA関係者が聞いたら怒りそうな発言だが、実際LPSAの面々は、中井広恵女流六段、石橋幸緒女流四段を除いて、目立った活躍をしていない。予想と願望は違う。本気で予想をするなら、LPSAの選手に厳しくしたほうがいい。
1回戦の午後は12時40分の開始。選手の入場を見届けたいから、昼食も取らず、マイナビルームAに戻った。
早速、選手が入場する。
室谷に続いて、山口が入場。室谷に関心ばかりいっていたが、山口の存在を忘れていた。きょうも可憐で、女子大生女流棋士のフェロモンがあふれている。
24名の選手が着席。午後の部は、入口左から、室谷早紀アマ-千葉涼子女流四段、船戸陽子女流二段-清水市代女流六段、加藤桃子奨励会2級-山田久美女流三段、山田朱未女流二段-高群佐知子女流三段、早水千紗女流二段-竹部さゆり女流三段、室田伊緒女流初段-中倉宏美女流二段、北尾まどか女流初段-小野ゆかりアマ、藤田綾女流初段-室谷由紀女流初段、長沢千和子女流四段-中澤沙耶アマ、相川春香アマ-島井咲緒里女流初段、野田澤彩乃女流1級-石高澄恵女流二段、山口恵梨子女流初段-西山朋佳奨励会4級である。
向かって左側に先手番の選手が座っているが、左の手前から4局目の、高群-山田朱戦は、高群が先手だったようだ。
予定より3分遅れて、12時43分、対局開始となった。
まずは各選手の表情を見て回る。
前述のとおり、LPSAのブレザーは冴えない。LPSAのファッションリーダー・船戸はブレザーを着用することを前提にコーディネートしていたが、今年は私服の上にブレザーを着ました、という感じで、グッとくるものがない。
中倉は、先ほど見たときはヒラヒラのオレンジの服装だったが、いまはそれもブレザーに隠されてしまっている。
島井だって、ブレザーの下はおしゃれな服装のはずだ。これじゃあ服装の点で、相手に負ける。しつこいが、LPSAには再考を促したい。
室谷は右奥で、鑑賞するにはあまりいい位置ではない。しかし向かって右側だから、ご尊顔は鑑賞できる。もっとも相手もNHK杯将棋トーナメントでお馴染みの藤田だから、どちらが先手番でも構わなかった。
山口の相手西山は、現役の女子高生。制服の着用だ。ちょっともう、我慢できない。このカードに懸賞金を懸ける予定はなかったが、1口懸けちゃおうと思う。
各対局とも、静かに指し手が進む。
石高-野田澤戦。石高が指したが、またも記録係がうっかりしている。野田澤が、「指しました」と教えている。
清水-船戸は、船戸の中飛車穴熊に清水の左美濃。昨年もふたりは1回戦で顔を合わせているが、そのときと同じ戦型だ。船戸はLPSA芝浦サロンの指導対局で、中飛車穴熊を連採していた。それもこの日のための実戦練習だった。
本局、船戸が敗れれば来期のチャレンジマッチ行きが決まる。清水は強敵だが、まるで勝てない相手ではない。
13時03分。観戦客は、奥に集中しており、山口-西山戦を観戦しているのは3人しかいない。何かの間違いじゃないかと思う。
髪を切った山口は涼しそうだ。西山の制服も申し分ない。西山は革靴をはいている。それでよい。現役女子大生の山口は制服を着るわけにはいかないが、最近までは高校生だったのだ。一昨年「東京・将棋会館」で行われたLADIES HOLLY CUPで、制服姿の山口を見たときは、あまりの可憐さに、全身のアドレナリンが活性化したものだった。
そんなふたりをしばし鑑賞する。これが現地観戦の醍醐味である。
中倉-室田戦は、室田の中飛車に、中倉の居飛車穴熊。
中倉が右手の人差し指と中指をほおにあてて考えている。その横顔が、弥勒菩薩そっくりだ。中倉と室田は、顔の系統が似ている。
千葉-室谷アマ戦。午前の対局で、室谷といっしょにいた女性が指している。やっぱり、彼女は室谷アマだった。どおりで、どこかで見たことがあるわけだった。室谷アマは一段と綺麗になったようである。女優の岩崎ひろみに似ていると思った。
北尾-小野アマ戦。北尾は髪型も変えて、リニューアル。黒のワンピースがよく似合っている。こちらはやはり、女優の若村麻由美に似ていると思う。
対する小野アマは、LPSAの公認棋戦でもお馴染みだが、いまはコンタクトレンズ使用で、雰囲気が違う。男装の麗人のようだ。
13時15分、山口-西山戦に戻る。山口が対局時計をチラチラ見ている。残り時間は10分を切っている。西山はまだ20分以上も残している。短時間の将棋は、奨励会員の西山のほうが、一日の長があると思うがどうか。
この対局の懸賞金は1本。つまり私が懸けたのみだ。山口の人気は、この程度のものなのか。世の将棋ファンは、女流棋士のどこを見ているのだろう。
ちなみに室谷-藤田戦の懸賞金は6本。こちらも、もう少しあってもいい思う。しかしこれを見ても、松尾-鈴木戦の11本がいかに図抜けた数字だったかが、よく分かる。
もうひとりの奨励会員加藤は、山田久と対戦している。くりくりとかわいらしい加藤、虚空に視線をやった。加藤の名前は桃子だが、そういえばもうひとりの桃子は?
そうだ、中村桃子女流1級は、先のチャレンジマッチで敗れ、予選不参加となっていたのだ。
マイナビは一斉予選参加選手を48人に限定するため、チャレンジマッチを設けたが、一部では「アリ地獄」といわれるように、この制度は過酷だ。
中村女流1級は、倉敷藤花戦で矢内理絵子女流四段を破ったように、実力もある。その女流棋士がマイナビ一斉予選対局に参加できないとは、さびしい。
13時26分、千葉が早くも秒読みに入った。室谷アマはまだ20分以上も残している。その室谷アマは席を外しているが、千葉は1分以内に指さなければならない。58秒まで読まれて、無人の相手に△3三桂と着手した。
13時30分。竹部-早水戦。早水の持ち時間がなくなったのを竹部が指摘、早水も秒読みに入った。
午前と比べ、午後の対局は、たしかに予想がむずかしい。竹部-早水戦、石高-野田澤戦、藤田-室谷戦などは、どちらに○を付けるか、瞬時に判断しかねる。
高群-山田朱戦。高群▲9五歩に、山田朱は力強く△同歩! この迫力は、加藤一二三九段に匹敵する。山田朱は、公開であるマイナビ一斉予選対局にふさわしい選手だと思う。
13時33分。室谷が顔を伏せて考えている。豊かな黒髪がグシャグシャになっているが、アイドルは何をやっても絵になるのだ。
中倉、扇子をパタパタ仰ぐ。やはり大山康晴十五世名人の揮毫か。見渡したところ、ほかに扇子を使っている選手はいないようだ。
北尾、▲7七同桂。これは穴熊側の桂を跳ねたもの。俗にいう「パンツを脱いだ」形で、こう指すようでは苦しいか。
室谷アマ、バッサリと▲4一角成。千葉、苦戦か。
船戸も苦戦のようだ。手に柄物の扇子を持っているが、開く余裕がない。
11時45分、島井-相川戦。相川が△4九金と打つ。これは寄せに入ったか。
千葉-室谷アマ戦、千葉が秒に追われて△4二金と指す。室谷アマはまだ10分以上残している。
島井-相川戦、あれから5分しか経っていないのに、島井陣から敵駒が一掃されている。島井、自陣に一枚入れて補強する。これは分からなくなってきた。
11時52分。小野アマが両手をほおにあてて考えている。小野姓といえば小野五平十二世名人、小野修一八段、小野敦生六段の名前が浮かぶ。けっこう将棋に縁が深い名字だ。
水分補給は、盤側にある紙コップに、各自が注ぐ。しかし高群-山田朱のそれは、両方とも伏せられたままだ。
バトルロイヤル風間氏の姿が見える。今度は胸に「STAFF」の名札を付けている。やはりバトル氏はスタッフ扱いが当然である。
室谷アマは苦しそうだ。その顔が、今度は若手女優の岩田さゆりにも見えてきた。岩崎ひろみにしても岩田さゆりにしても、室谷アマは美人だということだ。
13時57分。長沢-中澤アマ戦。ほかの将棋は中盤から終盤にさしかかっているが、こちらはどちらも低い陣形で、あまり駒が動いていない。ことに長沢のそれに不動駒が多く、序盤のようだ。先日の竜王戦・久保利明棋王・王将-山崎隆之七段との一局が、中盤から序盤に逆戻りする珍局だったが、それを思い出させた。
13時59分。清水、△6七飛成。船戸陣の穴熊は手つかずだが、敵陣への手掛かりもない。将棋は、囲いを崩さなくても勝てる。指し切らせてしまえばいいのだ。
清水の指し回しを見て、「穴熊の姿焼き」という言葉が浮かんだ。
(つづく)
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