一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

羽生九段はタイトル100期を獲れるか

2021-12-06 00:33:39 | 将棋雑記
羽生善治九段の「タイトル100期」は、どのくらい可能性があるのだろう。
羽生九段の若いころ、というか数年前までは三冠四冠が当たり前、タイトル100期などただの通過点と思っていた。しかしここ数年の停滞を見ると、あと1期がとてつもなく高い壁に思えるのだ。
では現在の8大タイトルの保持者を見てみよう。

竜王…藤井聡太
名人…渡辺明
王位…藤井聡太
王座…永瀬拓矢
棋王…渡辺明
叡王…藤井聡太
王将…渡辺明
棋聖…藤井聡太

現在3名がタイトルホルダーだが、やはり注目すべきは藤井竜王だ。
ここまでタイトル戦に6回登場しているが、時の竜王や名人などにすべて勝利し、ストレート勝ちも3回ある。誰と戦ってもまったく負ける気配がない。
羽生九段の対藤井竜王戦は1勝5敗で、仮に羽生九段がタイトル戦で藤井竜王に挑戦しても、勝つことは相当難しい。
また永瀬王座戦も4勝11敗と大きく負け越しており、昨年11月からは4連敗中だ。かつて棋聖戦五番勝負で防衛したことはあるものの、それは5年前の話。今後王座戦五番勝負があれば、やはり羽生九段が厳しいと思われる。
残るは渡辺名人だ。対戦成績は羽生九段の41勝38敗で、タイトル戦は4勝5敗だが、1日制に限ると、3勝2敗と勝ち越している。渡辺名人と対戦すれば、100期目のタイトルも有望となる。
ただし王将戦は、藤井竜王が挑戦することが決定している。これに藤井竜王が勝つと、羽生九段には、よりタイトル奪取が厳しくなってしまう。とにかく、タイトルが藤井竜王に渡ったらダメなのだ。そうなる前に、他の棋士から獲らねばならないのだ。
名人戦は、順位戦A級で羽生九段が1勝4敗の現在、挑戦どころか降級の心配をしなければならなくなっている。
しかもB級1組では藤井竜王が8勝1敗でトップを走っている。残り3局を2勝1敗で昇級確定、1勝2敗でも展開によっては昇級する。
藤井竜王がA級入りすれば名人挑戦最有力だから、ますます羽生九段挑戦の目はなくなる。よって名人戦もダメだ。
となると、残るは棋王しかない。羽生九段は棋王12連覇を含め、五番勝負に16回も登場している。1日制でもあり、羽生九段には相性のいい棋戦といえる。
また棋王戦はベスト4まで敗者復活がないので、さすがの藤井竜王もその過程で負け、現在まで挑戦者になれないでいる。
さらに棋王戦は予選で若手棋士のつぶし合いがあり、ベテランに優しいイメージがある。折しも今期棋王戦は、盟友の佐藤康光九段が勝者組決勝まで勝ち上がっている。羽生九段が同じ立場になってもまったく不思議でないのだ。
ただ冷静に見て、挑戦の可能性は相当低い。仮に挑戦者になっても、奪取せねばならないのだ。よってタイトル100期の可能性は、2~3%ではないだろうか。
羽生九段の50代は、つねにタイトル戦に絡む「大山型」だと思ったが、割とあっさりしている「中原・谷川型」になりそうである。
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