一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

豊島九段は今年度、勝ち越せるか

2021-12-20 21:52:16 | 将棋雑記
15日に第80期A級順位戦・羽生善治九段VS山崎隆之八段戦が行われ、羽生九段が勝った。
これで羽生九段は2勝4敗となり、とりあえず一息。ただ、この時点でもまだ9位。残り相手は斎藤慎太郎八段、永瀬拓矢王座、広瀬章人八段と厳しいところが続き、まだまだ予断は許さない。今年度成績も11勝16敗で、依然として5割に赤信号だ。
ところで「5割赤信号」といえば、豊島将之九段もあぶない。17日のA級順位戦では糸谷哲郎八段に痛い逆転負けを喫し、4連敗。順位戦も3勝3敗となり、今期の名人挑戦はほぼなくなるとともに、今年度の成績は20勝23敗になってしまった。
かつて東公平氏が、「持ち時間6時間の1勝と、早指し棋戦の1勝が同価値なのはおかしい」という意味のことを述べたが、そのデンでいくと、「藤井竜王に勝った1勝と、ほかの棋士に勝った1勝が同価値なのはおかしい」ということになる。藤井竜王からの勝ちを3勝と計算すると、今年度勝率は5割を越えるのだが、それはまあ、できない。
高勝率になる秘訣は簡単だ。勝ち将棋は確実に勝ち、非勢の将棋は逆転勝ちする。これで勝率は上がる。逆にいえば本局のような逆転負けは最もマズく、勝率はどんどん下がってしまう。もはや豊島九段にかつての勢いはない。
では今年度の残り対局を見てみよう。

竜王戦……渡辺明名人、ほか最低でも1局
A級順位戦……山崎八段、斎藤八段、菅井竜也八段
王位戦……挑戦者決定リーグを3局前後
叡王戦……本戦を最低でも1局
朝日杯将棋オープン戦……決勝トーナメントを最低でも1局
NHK杯……1局から3局

4棋士との対局が確定している。タイトル保持時代の豊島九段なら4戦全勝も考えられるが、平の九段になった現在ではかつてのオーラがなく、全敗してもおかしくない。
豊島九段は2007年のデビュー以来、毎年勝率6割以上をマークしている。今年度、豊島九段がどこまで巻き返すかは分からないが、この記録だけは途切れそうである。
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