羅漢寺前の道路から写している。見るからに小さな敦煌のようだ。
我々三人だけがここに立っているのである。他のバスツァー客は全くと言っていいほどここには来ない。ここを外してしまっては大森に来た価値が半減するといっても過言ではない。今までご覧になられてお判りであろうが街並み自体が世界遺産ではない。この様な街並みはまだ日本には数え切れないくらいに残っているし、ここよりも素晴しい街並みも数え切れないくらいに残っている。鎖国の江戸時代にあって世界に知られた日本の地名は数えられるくらいでしかなかろう。このような山の中の大森が世界に知れ渡っていたのは奇跡に近いと思う。
また石橋にやって来た。妻ともう一人の連れに見せるためである。恐らくは下流にも架かっていたであろうと思われるが、この一箇所である。このことも至極残念ではあるが残されているのはありがたい事で、車窓から見つけられることができたのもキョロキョロと目を配っていたからである。バスツァー参加者の中で私一人が大森を一周したことになるわけだ。