父が亡くなってはや二年二ヶ月になる。父は花を愛でると言うことは無かった。朝顔を除けばだが。それでも種を蒔いてしまえばそれで終わり。あとは朝顔の蔓のために細い竹で井桁を組んでやるのである。双葉が出たと同時にやるものだから気が早い。咲くと私に「見てみろ、見てみろ」と急かすのであった。今時分になると恒例の行事のようであった。
玄関先に壷を置き水を張っていた。「ボウフラが湧くだろうが」と私は言っていた矢先に母が知り合いから睡蓮を分けて貰っていた。小さな蕾が顔を出すと父がじっと見ていたそうだ。花が開くと「綺麗やのー」と感心していたそうだ。
母から睡蓮が咲いたと連絡をもらったので写真を撮りに行きそれを絵にすることにした。