かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

十字軍物語 1

2010年11月12日 | Books


十字軍の物語は、紙芝居風の予告編を経て、早くも第一巻が発刊されている。

十字軍については、資料が少ないという。国をまたがった、なし崩し的に始まった行動だったから、体系だてて記録が残されなかったのだ。でも塩野さんは、よくその歴史を再構築してくれている。

最初の十字軍のおふれは、①キリスト教徒同士は、神の休戦に入れ②参加するものは、赤い布の十字をぬいつけろ③翌年の8月に出発する。だったいう。シンプル。戦いというよりは、巡礼に近い。

これだけでは、長続きしないと思ったのか、①参加者の完全免罪②費用献金も可③残す資産は、保全される④資金調達のための資産処分は、正当な値で行われることが保証される⑤教区の司祭の許可が必要⑥途中で戻ってきたら破門、など、急に現実的なおふれになったという。

十字軍は、その後、紆余曲折を経ながら、成果を上げるのだが、それがローマ法王の権力増強につながっていく。
しかし、向かう途中の小アジアの国々との戦い、トルコの登場、仲間内での微妙な駆け引き、極めて混沌とした戦いだったようだ。欧州内では、戦いもしていた国々の連合軍だから、そんなにすっきり行く訳はない。

ただやはり塩野さんの真骨頂は、戦いの場面かもしれない。戦場カメラマンとして、その場にいたような迫力だ。

続編は、来年のようだが、楽しみに待ちたい。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする