ジョン・レノンのいちばん長い日。
ジョンが撃たれてから30年、生まれてから70年。そのタイミングで出た本。
思わず買ってしまった。
ジョンが撃たれたのは、ダコタハウスの前。ポランスキー監督のローズマリーの赤ちゃんの映画の舞台になったマンション。有名人の逸話に事欠かかないこのマンションに、レノン夫妻は居を構えた。ジョンレノンのあのNEW YORK CITY と書いてあるTシャツを着てとった写真もこの家の屋上で撮影されたという。
とにかくよくここまで調べて、書きあげたなぁというのが本音。アップル社が、ポールが当時凝っていたルネ・マグリットのシュールなリンゴの絵からインスピレーションを得たことも本書で知った。長い一日と言っているが、ビートルズのメンバーの生い立ちから、ビートルズの歴史から、チャップマンの生い立ちから、結構関係ない話(当日開催されていたプロレスの話やら)から盛りだくさん過ぎて、基礎知識のある人にとっては、結構冗長に感じるだろう。
しかし本書を読んで感じるのは、やはりあまりにもひどい理不尽さだ。情報過多ではないかと思われるほどチャップマンの異常さも浮き彫りになっているのだが、それでも何故?と問いたくなる。
事件の後の混乱ぶりもリアルに描かれているのだが、あまりのひどさに、二度は読む気がしない。
アメリカで銃が日本並に管理されていれば、こんなことにはならなかったろうに。銃社会といわれるアメリカ。でも銃が許されているから起こる犯罪と、銃が許されているから守れた命と、どちらが多いのか?絶対前者が多いように思う。この議論は、防衛力の話にも通じる。