石屋のカミさん日記

仕事に趣味に 好奇心の赴くまま楽しいこと追求します!

D君のソナタ月光

2006-07-20 23:15:16 | Weblog
10日ほど前、D君が ふらりと私のお店にやってきた。

D君は 中学校からの同級生の男の子、
(男の子という年齢でもないか・・・
私の主人と同じ信州大学工学部を出て
現在、父上の跡を継ぎ、木工所を経営している。
大変素朴で優しい人で、子供が同じ保育園に
通ってたことから、再び交流が始まった。

このD君、小さい頃から ピアノを習っていて
「D君」・・といえば「ピアノ」と連想してしまうくらいに
ピアノが上手な人
学校の音楽祭やなんかの伴奏は いつも彼がしていた。
中学校3年生のとき、私達の学年は合唱コンクールに出場した。
ピアノ伴奏D君、指揮者が私のコンビで見事優勝した思い出がある。
曲は「モルダウの流れ」だった。

その彼が 2年前から再びピアノを習いはじめ
今度、発表会に出るらしい。
作業服を着て、木工所の軽トラックに乗り
発表会のプログラムを持ってきてくれた。
素朴な大きな手だった。

で、先日 その発表会でD君の演奏を聴いてきたの
ピアノの上手だったD君のことだから
期待して行ったのだけど、期待を大きく上回る
素晴らしい演奏だった。
曲はベートーベン ソナタ月光 第1楽章・第3楽章

確か、この曲は 中学生の頃も弾いていた!
放課後、音楽室でD君が演奏するのを
友達と一緒に 聴きに行ったことを思い出した。

一瞬、舞台のD君が 学生服を着てるように錯覚し
セーラー服を着てる私にタイムスリップしたの
もう20数年も前・・・!?
それからのそれぞれの人生、そしてピアノを再開したD君
仕事の合間に必死に練習しただろうソナタ月光・・
そんなこんなことが曲と一緒に ぐるぐるぐるぐる
頭を巡り、ぽろぽろ涙が溢れてきた

演奏を終えたD君は ほんとに清清しい笑顔で。
感動した私は 手が痛くなるほど拍手した
音楽室で一緒にD君の演奏を聴いてた
他の同級生たちにも聴かせてあげたかったなあと
帰途についた。

後日、彼からお手紙を頂いた。
発表会に足を運んだことへの御礼が丁寧に書いてあった。
木工所で 木を切り刻む仕事をしている彼は
いつ、この10本の指がなくなってもおかしくはない
10本の指がそろっていることに感謝しながら
続けられるだけ ピアノを弾いて人を感動させたい
と手紙で書いていた。

私は この手紙でまたまた 感動して涙してしまったのである。

なんか、D君とは 男と女を超えた
友達になれそうです





コメント (4)
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