先日、仕事絡みである書籍を読んでいて、当ブログ好みのスポーツ文化もののコラムがありました。以前にチーム岡山の講演会の講師として来られて、その講演を聞いた事があります。今回のコラムのタイトルは「地域密着型クラブは、住民の心のインフラ、スポーツは地域振興のキラーコンテンツ」です。なかなかいい内容だったので、抜粋して紹介。
※写真は2008年岡山で開催された講演会のもの
地域の活性化はハード面だけでなく、ソフト面も重要。ソフト軽視では地域文化を形成し、次代に継承するコンテンツにはなりえない。地域文化を創生するのは「市民力」。それには市民が共有できる娯楽性、参画意識、継続性、外部への発信力が不可欠。一過性ではなく、その受け皿となり、進化させるキラーコンテンツが必要。それを実現できるのがスポーツ。スポーツには地域文化と地域活性化のスパイラルの中心ポジションを占める機能があると思われる。
欧米では「スポーツツーリズム」が一般の娯楽として定着。スポーツ観戦やレッスンやプレーのための旅行という意味です。どういう形であれ、「スポーツと触れ合うこと」を主目的とするツーリングが生活の中に定着している。日常生活の楽しみの中心にスポーツがある。チームと地域の密着性が高いほど、地域愛とともに地域住民と地場企業が薄く広く、皆でチームを支えあう精神が育まれる。
スポーツを通じたコミュニティの創造こそ、見習うべき地域活性の姿かたちが見てとれる。プロ野球の中では北海道日ハムは当初より「地域密着」を強く意識した球団経営を行っている。道内各地での野球教室やファンイベントの実施、札幌ドームのオープンテラスでの地域農協の朝市・夕市の開催、北海道スポーツ振興を目的とした「ファイターズ基金」を設けた他、札幌ドームやJ2札幌とともに、「地域の子供たちを地域で育てよう」をテーマに地域活動に参加。交流を深めている。
地域でも、札幌市商店街振興組合連合会が中心となり、「さっぽろ商店街わくわく応援団」を結成。商店街での街路灯フラッグの設置やイベントを開催。その結果、観客動員で全12球団中で5位と大検討している。
東北楽天も地域交流に積極的。地元ファンが球団運営に直接携わる「ボランティアスタッフ制度」は、ファンとチームとの一体感を強め、経済効果に貢献しているとか。
Jリーグの創設時に、「フランチャイズ」のクラブ拠点を「ホームタウン」と改めました。これには「営業権」よりも、地域の財産として皆で支えあう「地域権」を重んじ、市民、行政、企業が三位一体となって地域に根差したクラブを創っていかねばならないという強いメッセージが込められている。
大資本に依存することなく、財政基盤を整え、経営資源を恒常的に確保するのは容易ではないが、地域一体となって取り組んだ創意工夫で、新たなビジネススキームを達成したクラブがJ2甲府。
J2甲府では、クラブ存亡の危機に立ちあがったのが地域住民。地元企業や商店のスタジアムへの広告掲載の他、物品スポンサードの実施など、ローカルらしい自発的な支援強化が図られた。その影響で観客動員はJ2でありながらJ1時代と変わらない数を誇る。
アメリカには、野球、アメフト、バスケ、アイスホッケーの4大スポーツがある。アウトドアスポーツとインドアスポーツが半々にバランスしている。季節的にも年間を通してうまく「棲み分け」ができている。そういった意味で、日本でもバスケやバレーなどのインドアスポーツには次なる成長の余地があるように思われる。
スポーツが生み出す真の価値は、地域の人の心を紡ぎ、発信させる「心のインフラ」であり、その心のインフラが「地域力」を高める。「地域力の再生と再構築を担うキラーコンテンツの運営者としての高い意識を持ち、強いリーダーシップを発揮する経営者、指導者の育成もまた大切。彼ら経営者、指導者のい情熱と志が、スポーツを地域に根付かせ、地域文化を創造していく。
'08年の1月に、チーム岡山主催の講演会&パネルディスカッションに参加した事があります。当時、岡山での野球独立リーグチーム設立を模索してされていましたが、実際の講演会では野球ではなく、サッカーの話だった覚えがあります。二宮氏の斬新な考え方に驚いたものでした。また、こういう講演会を聴きたいものです。
「二宮清純.com」公式サイト:http://www.ninomiyasports.com/
ファジフロントブログに柏帰りのMら井氏の記事が出ていました。社会貢献活動ネタなので、紹介したいと思います。『普及部サッカーお届隊!』 という活動で、ファジのコーチ達が幼稚園や保育園、小学校などをまわっているそうです。選手は登場しませんが、頑張っていただきたいと思います。
クラブフロントブログ該当記事:http://ameblo.jp/fagiano-front/entry-10730483056.html