事例紹介コラムです。
いよいよJリーグの今シーズンも佳境に入ってきました。昨日NHKで放送されていた、広島さんとガンバさんの試合を観ていました。後期首位(当ブログでは後期優勝とは言いません)が最終節に持ち越しになりましたね。浦和さんは年間順位も広島さんに抜かれましたね。当ブログ的には、2ステージ制に最後まで反対された浦和さんに優勝して欲しいと思っています。
そんな中、先日フットボールチャンネルで、「Jリーグが直面する“スケジュール破綻”の危機。2S制導入で生じた『変則』、今こそ夏春制移行の議論を」というタイトルで、今シーズンの過密日程絡みの記事が出ていました。まぁ、すべてわかっていた事ですが、改めて見てその弊害に頭を抱えています。以下、抜粋して紹介。
【早くも迎えた『ホーム最終戦』に覚えた違和感】
10月最終週のJ1後期第15節に対してある種の違和感。松本、湘南、清水、仙台の4チームが今シーズンのホーム最終戦の終了後にはそれぞれのスタジアムでセレモニーが開催。しかし、各チームともまだ2試合を残していて、しかも最終節は1ヶ月近くも先の11月22日。必然的にセレモニーは中途半端なものとなり、どことなく空疎感も。以下、J1湘南の挨拶も違和感。
「我々のシーズンはまだ終わっていない。(中略)今、曹監督から丁寧な挨拶ができる言葉は出ない。なぜなら、明日も戦うから。従って、簡単な挨拶をもらいます」と真壁会長のコメント。
「あと2試合あるが、1年間ありがとうございました。何かしゃべっちゃいけない雰囲気なので終わります。来年も頑張りましょう。お疲れさまです」と
曹監督のコメント。
昨シーズンは、11月29日の第33節と12月6日の最終節で、それぞれホーム最終戦が9試合ずつ開催。湘南さんをはじめとする4チームが、歪なスケジュールを強いられたのはなぜなのか。来シーズンの日程を組む上でしっかりと検証し、可能ならば公正な形に修正されるべき。
【山場で発生した2週間の「空白期間」】
それ以上に問題なのが、残り2節の間隔が大きく空いてしまっている点。10月31日にナビスコ杯決勝が開催される関係で、後期第16節は11月7日まで2週間空き、さらに日本代表戦が開催されるため、最終節まで再び2週間空く。広島さんが首位の後期は、偶然にも昨日7日に上位陣による直接対決が組まれている。前節まで首位の広島対4位のG大阪と、2位の鹿島対3位の横浜FM。結果次第では広島さんの後期首位が決まっていました。
1位がチャンピオンシップ(CS)決勝にシードされる年間総合順位に目を移せば、広島さんと前期首位の浦和さんが勝ち点68で並び、CSに出場できる3位の座をめぐって、ガンバさんとF東京さんが勝ち点1差でしのぎを削っていた状態。
レギュラーシーズンの終盤からCSに突入していく上で、最高の盛り上がりを見せて然るべき展開だが、2週間ずつ空く変則スケジュールは残念ながら注目度をスポイルしかねない。
昨シーズンもナビスコ杯決勝と代表戦が行われた関係で、11月上旬に約20日間の空白期間が発生。今シーズンほど問題視されなかったのは、空白期間の後に3週にわたって3節が組まれていたから。
翻って今シーズンは、FCWCの日本開催が決まっており、12月10日の開幕戦でJ1王者が開催国代表で出場する事と、今シーズンから導入されたCSが最大4日間の試合開催日を要することから逆算すれば、11月22日を後期最終節とせざるを得なかった。国際Aマッチデーを動かすことはできないし、1993年の開幕からナビスコ杯決勝は11月を中心とする秋に実施。
つまり、2ステージ制及びCS導入に代表される改革を断行し、なおかつ慣例を尊重した結果として、クライマックスを迎える11月が飛び石となることを承知の上でスケジュールを組んだシーズンだった。
【“興醒めの期間”の解消へ。今こそシーズン移行の議論を】
もっとも、今後も同様の変則スケジュールが繰り返されれば、改革そのものが水泡に帰す恐れも。 来シーズンの開幕を史上初めて2月最終週に前倒しして、過密日程を解消させる案がJリーグ実行委員会内で協議された報道があったが、たとえ実現できても根本的な解決策にはならない。たとえ1週間でもオフが短くなることは、選手のコンディションにもマイナス効果。しかも、FIFAの日程では、すでに2018年まで9月、10月、11月に国際Aマッチデーが2日ずつ組み込まれており、2019年以降も変わらない模様。
FCWCを今後も日本で開催していくことを前提として考えれば、12月第1週をもってCSを終えるスケジュールも簡単には動かせないので、今後も毎年秋、特に11月に生じる「興醒めの期間」を解消する最も有効な手段は、長年の懸案事項となっているシーズン開始時期の移行となるのではないか。
欧州の各国リーグにならって、秋というよりは夏場の8月に前期を開幕させ、。9月、10月、11月に代表戦による空白期間が生じるが、後期からCSへと至る過程で、何度も中断を余儀なくされるよりはマイナス効果を抑制が可能。
ナビスコ杯もシーズンと同時進行で予選リーグを開始し、年明けから決勝トーナメントに突入し、後期終盤で、かつ国際Aマッチデーが設けられる予定のない4月か5月に決勝戦を実施。実際、Jリーグは一昨年に開催したJ1・J2臨時合同実行委員会で、夏春制シーズンへ「然る時期に移行する」ことで合意。
【積雪地域からの反対も一転…ACLもシーズン移行へ】
J1新潟やJ2山形などの積雪地域のクラブが猛反対してきた経緯もあって、シーズン移行に関する議論は今まで停滞。それが一転してJクラブの全会一致で合意に至った背景には、AFCがACLを現状の「2月開幕・11月決勝」から、UEFAチャンピオンズリーグに倣った「9月開幕・翌年5月決勝」に変更するプランを進めていることが判明したため。実際にACLのシーズンが移行されると、ホーム&アウェー形式で行われるグループリーグが9月以降の年内に行われる事になる模様。
「そうなると、J1終盤戦の優勝争いのストーリーがまったく成り立たなくなってしまう」と、2ステージ制の導入した中西常務理事は、Jリーグのカレンダーそのものが破綻すると警鐘を鳴らし、シーズンを移行するメリットを実行委員会で説明した上で合意。中東勢が独占し、実質的な「伏魔殿」と化しているAFCからは、ACLの件を含めて日本へほとんど情報が伝わってこない状態。
「11月の上旬にはナビスコ杯の決勝戦も行われ、破綻したカレンダーのもとでは、シーズンを送ることは不可能。本当にお手上げに。ACLが変更された時点で速やかにJリーグもシーズンを移行できるように、準備だけは必要」と中西統括本部長のコメント。
しかし、現状ではACLのシーズン移行に関係なく、J1終盤戦の盛り上がり方が批判を受けているのに、AFCの動向に関係なく、日本サッカー界独自の判断でシーズンを移行するための議論を急がせてもいいのではないか。
天皇杯の開催時期やACL出場クラブの選定方法、そしてウインターブレークを設けるか否か。何よりもJクラブだけでなく自治体、Jリーグ、日本サッカー協会が一体となって積雪地域のスタジアムや練習施設に屋根やヒートシステムを設置するための方策など、話し合うべき課題は山積。
【シーズン移行はメリットも。議論放置は日本サッカーのマイナスに】
Jリーグのシーズン移行を最初に訴えたのは、犬飼元日本協会会長。J1浦和社長時代に高温多湿の夏場の戦いで、心身ともに疲弊し切った選手たちを何度も目撃。痛々しい思いを募らせた経験から、「サッカーは真夏にするスポーツじゃない」なる持論を展開。積雪地域のクラブから猛反対されたが、2年前の時点で、あるJクラブの強化担当者が「シーズン制の移行に対する概念そのものが変化してきた。選手たちのハイパフォーマンスをお客さんに見せる手段として、犬飼さんはシーズン制の移行を訴えていた。しかし、いまは代表チームの活動を考えた場合を含めて、ヨーロッパのカレンダーに合わせること自体が最大のメリットという考え方が、Jクラブの間にかなり浸透。2ステージ制を復活させる構想が持ち上がったのも、いざシーズンを移行しようとなった時に、前期を後期の後に持っていくことでスムーズに移行できるから」とコメント。
実際に2ステージ制が導入されたいま現在ならば、より具体的な議論を交わすことが可能となるはず。現状のままなら、11月の飛び石スケジュール状態は当面避けられず、熱気と関心とをそがれる状況を放置しておくことは、短期的にも長期的にも日本サッカー界にとってマイナスと締めくくっています。
フットボールチャンネル該当記事:http://www.footballchannel.jp/2015/10/28/post116668/
この記事を読む前は、変な空白期間が生まれるのは、過密日程のためであり、2ステージ制がそもそもの原因だと書いているのかと思ったら、春夏制が原因であるという論調でした。まあ、一つの意見として当ブログではとらえたいと思います。議論はいいが、そこにはファン・サポーターの意向は全く存在していないのではないでしょうか。ファン・サポーター本位でなく、自分達本位でやってきたからこんな事になってしまったと考えます。代表人気ははキープできても、なぜJリーグ人気は停滞しているのかと。J2岡山が来週史上初めてサポカンをやるように、Jリーグも全国何か所かでサポカン、もしくはタウンミーティングを開催してはいかがでしょうか。ファン・サポーターはお金を払う「お客様」。消費者を無視する方法では、それこそリーグそのものが破たんします。
春秋制がいいのか、秋春制がいいのかの議論よりも、根本的にJリーグをどうしたらいいのかの方が大事ではないでしょうか。もし、Jリーグをアメリカナイズしたいという価値観があれば、ぜひBリーグに目を向けられたらいかがでしょうか。昨日の記事で、当ブログで正しい価値観と思う時代の、ノスタルジー記事を出しましたが、昔に戻りませんかねぇ、J's GOALのように。
Jリーグ組織問題関連 (その他):30 / 29 / 28 / 27 / 26 / 25 / 24 / 23 / 22 / 21 / 20 / ⑲ / ⑱ / ⑰ / ⑯ / ⑮ / ⑭ / ⑬ / ⑫ / ⑪ / ⑩ / ⑨ / ⑧ / ⑦ / ⑥ / ⑤ / ④ / ③ / ② / ①
Jリーグ組織問題関連(2ステージ関係):29 / 28 / 27 / 26 / 25 / 24 / 23 / 22 / 21 / ⑳ / ⑲ / ⑱ / ⑰ / ⑯ / ⑮ / ⑭ / ⑬ / ⑫ / ⑪ / ⑩ / ⑨ / ⑧ / ⑦ / ⑥ / ⑤ / ④ / ③ / ② / ①
話は変わり、今日アウェー岐阜戦が開催されました。当方は出張でウルトラスブルーでのPVは欠席しましたが、シマカズ氏のレポがあるので、明日お届けします。あと、サポカンに関して通知が来たと仲間から連絡がありました。参加通知が来ていたとしても、ボランティアは運営側だと思うので質問せず、しっかり拝聴するスタンスで考えています。中身あるいい意見交換になったらいいですね。