事例紹介コラムです。
先週のFOOT×BRAINで「結果と信頼を勝ち得た名将に迫り、ハリルジャパンの可能性を考える」というテーマで、3人の名将についての特集でした。ラグビーのエディー前HCについては、いろいろな情報でたっぷり聞きましたが、この番組でもまた新たな発見がありました。面白かったですね。以下順番に抜粋して紹介。
【日本代表オシム監督('06年)】
「曖昧さをなくす」
オシム監督は、日本人は責任や原因を明確にしないまま次に進む傾向があるとし、日本人選手やコーチが使う言葉で「しょうがない」「切り替え!切り替え!」が嫌いだったとか。これらはあきらめるべきでない、何かをあきらめてしまい、全部をごまかせる言葉だと感じた。そのため、常に原因を追究し、議論をする事を重んじたと言われている。
フィジカルではどうしても外国人に劣る日本人の戦い方。オシム監督はそれをしょうがないでは済ませず、見出したのが「考えて走るサッカー」。スペースを見つけながら運動量で相手を圧倒する戦術。そのスタイルは今も脈々と受け継がれ、今も日本代表のスタンダード。
三浦ヤス氏が「勝たせるチームを作る監督になるにはどうすれば良い?」と聞いて、感銘を受けたオシムの言葉
「私はまだ勝たせていない。勝たせる事よりも難しい事がある。18人のレギュラー選手だけでなく、チーム全員がトレーニングからモチベーションを持ってトレーニングさせる事が大事」
【ラグビー日本代表・エディーHC('12~'15年)】
チーム作りで掲げた信念は「ハッピーにしない」
チームには緊張感が大切と考え、初選出の選手をレギュラーに抜擢など、選手1人1人に競争意識を植え付けていった。あえて選手を突き放すなど、100%安心できない環境を作り出し、代表選手に朝6時から練習をさせ、監督本人も考えられないと発言。
三浦ヤス氏は「選手は居心地を良くして甘える、ハッピーになりたいから。なので、コミュニケーションを取る監督がいい監督と選手は思っている。コミュニケーションは危機管理だと思っている。ハッピーにさせず、危機感を与える事が選手マネジメントとして大事」
【千葉ロッテ・バレンタイン監督('95、'04~'09年)】
千葉ロッテの31年ぶりの日本一を達成し、日米で優勝した史上初の監督。チーム作りの信念は「ファンを愛する」。就任当初、チームとファンの距離を感じた監督はファンサービスを強化して、自ら距離を縮める努力を実行。時にはファン感謝デーで自らダンスを踊ったり、地道なファンサービスを実施した結果、2008年には年間観客動員数が劇的に増加。球団史上初の160万人を突破し、この記録は今も更新されていない。
日本人選手はファンサービス(サイン)に後向きな人が見られるが、ロベルト・カルロスはとにかく全員にサインする。「誰のおかげでサッカーできているのか」という名言。Jリーグバブルの時に、人気選手が宿泊ホテルの裏から出るシーンがあった時代だったが、どうして正面口から出てこないんだ、それが選手の役目と批判される行為。最近は改善されつつある。
エディー前HCの「(選手は)ハッピーしない」についてgは、史上最強と言われながら、ブラジルW杯で惨敗したザックジャパンは、熾烈なレギュラー争いが無い「幸せはチーム」になっていた。海外組を重視した固定メンバーに批判も多かったとか。
それに対してハリルジャパンはこれまで不動だったサイドバックに2人の新戦力を抜擢し、本来FWの原口も入れたサプライズ。ボランチも、遠藤と長谷部のコンビを解消し、ボランチは6人で今はレギュラー争いが激しい状態。
「自分自身が(競争)を求めていた。もっと競争が上がるようなチーム、自分達が出たアジア杯やW杯では結果が残せなかったので、若い選手がもっと試合に出る環境は必要。若い選手が出る機会があるという事は、自分達が望んでいた事なので良かった。競争を続けて欲しい」岡崎選手のコメント。
という内容でした。当ブログとして特に注目したのが、バレンタイン監督のファンサービス。「就任当初、チームとファンの距離を感じて、ファンサービスを強化した」という部分ですね。やはり、距離感なのですね。ロッテさんは距離感を縮めて観客動員数を増やしましたが、当ブログでは例えばいくら観客動員が良くても距離感が遠くては百年は続かないという見方があります。その頃は良く見えても、長い間は県民の心には刷り込まれず、薄い記憶しか残らない。読者の方でも、過去を振り返って、「そういえば、うちの過去の選手ですごい印象に残っているって何人いるっけ?」という人も何人もいるでしょう。当ブログではそうですね、某黄色い選手では何人もいますが・・・
距離感とは「馴染み」だと思います。地域の子ども達から「うちの選手ってユニ姿でボール蹴っているるイメージしかなく、私服姿がどうしてもイメージできない」「○○選手って、どんな声してるの?どんな人なの?」と言われる悲しい事になっていないでしょうか。その辺が選手による地域貢献活動をどこまでできているかという当ブログの論調につながっていきます。
どこだったか忘れましたが、前に「どうして露出を増やさず、情報を流さないようにしているか、それは情報が枯渇すると、その欲望が増してスタジアムへ行こうとするから」という価値観を耳にした事があります。これは、まさにスタンダードができていない愚かな価値観だと思います。情報が枯渇したら、全員がスタジアムが行こうとは思わない。そのうち飽きて次の娯楽行動に走るだけです(笑)。興味を引き付けるためには、絶えず情報を提供し続けなければならない。川崎さんのSNS(特にツイッタ―)を見れば一目瞭然。
話は変わり、広島さんが年間最多勝ち点と後期首位(優勝)を達成しましたね。後期を制したチームがそのまま年間を制するっていつか見た光景です。まぁ、年間王者になった訳ではありませんが。この話題はそのうち。