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松本山雅の強さ20

2015-11-11 00:05:10 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 事例紹介コラムです。
 前節で山雅さんのJ2降格が決まってしまいました。当ブログでも「きっと山雅さんは残留するだろう」と予想していましたが、個人的には残念ですね。その前に山形さんも降格し、プレーオフ組は今年も降格となりましたが、山雅さんは自動昇格組だったので、大丈夫だろうと思っていましたが、それだけJ1は厳しいという事がよくわかりました。以下、報道をいくつか紹介します。
   
【SPORTIVA】
 11月7日、山雅さんは神戸さんに1-2で逆転負けし、来シーズンのJ2降格が決定。クラブ史上初のJ1昇格を果たしたが、わずか1シーズンでJ2へ逆戻り。松本さんは後期に入って、せっかく先制しながら試合終了間際に同点ゴールや逆転ゴールを許し、手にしかけた勝ち点を逃してしまう試合が目立ったからこそ、反町監督はリードしたままの逃げ切り策は考えていなかったとか。
 今シーズンの戦いぶりを振り返ると、紙一重の勝負といった惜しい試合がいくつもあったのは事実だが、1シーズンをトータルで考えれば、やはり地力の差による力負け。戦力的には妥当な結果と分析。反町監督のコメントをいくつか紹介。

「J1新規参入のクラブは厳しい。群を抜いて昇格し、戦力を維持できれば成績は残せた湘南とは違って、うちはJ2でもダントツの力を見せて上がってきたわけではないし、(J1残留ギリギリの)15位に入れれば、というのが正直なところ。(開幕前に)降格候補に挙げられていたが、それは普通に見て当たり前のこと。J2では相手に救われた面があり、戦術的な部分でもごまかせる部分があったが、J1は絶対にごまかせない」
「前期の方が勝ち星は多かったかもしれないが、チームとしては後期の方がJ1仕様になってきていた。(移籍による補強で)新しい選手が入って競争し合う中で、いい試合を多くできたと思う」
「新しい選手が入ってきてよくなったし、それを最初からやっていればもっと強固なチームができたと思うが、それがクラブの力。そこに文句を言っても仕方がない」
「経験のある選手を獲得してくるというやり方もあるだろうし、育成型のクラブを目指すというやり方もある。どこを目指すにしても、クラブ全体としてこれからどうするかをしっかりと考えて、整備しなければいけないところは多く、その場しのぎでは同じことの繰り返し。1年でまた戻れると考えるだろうって考えるほど甘くない。それをみんなが認識しなきゃいけない」
SPORTIVA該当記事:http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/jfootball/2015/11/08/post_999/

 コラムには、結果に関わるすべての問題は、選手や監督だけで解決できるわけではなく、いわば「クラブの総合力」が問われているとありました。その点、J2のプレーオフ制度はクラブの総合力が低いまま、J1に強引に上げる「飛び級」制度といえ、過去のクラブがすべて即J2降格している様はその象徴でしょう。続いて、「上り詰めた初のJ1で見えた現実…松本山雅、J2降格の挫折を未来の一歩に」というタイトルのサッカーキングの記事を抜粋して紹介。

【サッカーキング】
 J2松本はクラブ創設50周年となる今季にJ1初参戦。サポーター動員数も予算も2008年から雪だるま式に増加し、今シーズンのホーム平均入場者数は前年比32%増で過去最多の1万6,823人。こうした中で迎えた今回の降格は、成功体験に包まれ続けたクラブと街が近年で初めて味わう「挫折」。
 そもそも3年間のJ2時代も決して戦力に恵まれたチームでなく、苦しい台所事情の中でJ2を勝ち抜くことができたのは、天井知らずの運動量をベースにした堅守速攻と、相手を徹底的にスカウティングした上で組み立てられたセットプレーのため。もちろん相手の決定力不足に助けられた側面も。
 だが、J1ではスキを見逃してもらえず、ストロングポイントも前面に押し出せず。チームの総走行距離では後期鳥栖戦を除く32試合で、スプリント回数では後期川崎戦を除いて32試合で、それぞれ対戦相手を上回ったが勝ち点に至らず。
 失点に加えて特に顕著なのはその時間帯別の傾向。75分以降に許したゴール数19はリーグワースト。先日の神戸戦も85分以降に2失点の逆転負け。疲弊した終盤に見せる「スキ」は、残酷なまでの大きな差。

 J1ではクラブ全体として発展途上である事が顕著に。今シーズン開幕前に、反町監督が直接面会してオファーした複数の選手は全員入団に至らず。アルウィンという専用球技場、熱狂的かつ温和なサポーター、松本市かりがねサッカー場(天然芝1面、人工芝1面、フットサルコート1面)の供用開始、クラブハウスの完成があってもなお、クラブ間の競争力では後手を踏んでいる状態。育成組織を強化しても、トップチーム昇格の実績はゼロ。ユースチームはまだ長野県2部。2種登録で鍛えていこうという水準にある選手も輩出できていないのが実情。
 こうした背景で、今シーズンは主に野心的なJ2の主力級が集まる編成だったが、今シーズン新戦力で開幕当初から継続的に試合に絡んでいる日本人選手は前田、酒井の2選手のみ。ブラジル人は4人が出入りしたが、及第点を与えられるのはオビナのみ。それも4本のPKを含む6ゴールでは助っ人として物足りないと言われても仕方がないだろう。シーズン途中には工藤、安藤、キム・ボギョンを獲得したが、攻撃面のバリエーションは増えたものの、工藤とキム・ボギョンがケガがちでフル稼働できず。徐々に手詰まりの感が強まり、気が付けばJ2降格。

 それでも救いはあり、苦しい戦況にも関わらず、チーム内の不和や雑音は極めて少なく、サポーターの熱気も冷めなかったこと。無残な敗戦の後にも浴びせられる罵詈雑言は少なく、拍手とコールがスタジアムを包んだ。プロである以上は結果が肝心ではあるが、その前提に疑義を差し挟みたくなるほどポジティブな空間。ともに苦汁をなめ続けたことで、サポーターとチームの信頼関係はより強化。
 勝っても負けても応援し続けるサポーターの声は選手にも当然伝わっていたが、現実は無情。「日本のトップ15入り」という目標は叶わず、J2へ逆戻り。選手たちの「サポーターに対する感謝の思いが、必ず結果に結び付くと信じている」という言葉を残して。特異とも言える右肩上がりの成長曲線にはひとまず区切り。とはいえ、わずか10年前には満足に照明もない学校の校庭などで練習をしていたことを考えれば、驚異的な進歩であることは間違いなく、今シーズンに嫌と言うほど味わうことになった苦い経験をどう糧にするのかが肝要と締めくくっています。
サッカーキング該当記事:http://www.soccer-king.jp/news/japan/jl/20151108/367669.html

 それにしても、平均観客数が平均1万6千人というのはとんでもない数字ですね。岡山のチャレンジ1実績の倍の数字です。平均1万人を超えないチームがJ1に上がっていいのかという論評もそうかもしれませんね。2つのコラムに共通しているのは、今シーズンは試合最後の失点が多く、「スキ」が敗因であるとしています。スキだけではなく、スタミナ部分もあるのかもしれないし、終盤に攻めれば攻め勝てると思われているのかもしれません。後半のスタミナ切れを待って、前半は省エネプレーをされるって、どこかでも耳にした事があるなと。
 ともなくも、山雅さんはたった1年であってもJ1の経験は何ものにも替えられない大きな財産だと思います。J3の状況では長野さんは来シーズンもJ3のようなので、J2での信州ダービー実施には至らなかったですが、山雅サポさんは昨シーズンと同様に、長野が来る前にもう一つ上のカテゴリに行かねばと思うのではないでしょうか。個人的には、昨シーズンは新スタジアムもでき、後から迫ってくる長野さんを引き離そうというように映りました。地方クラブの雄がまた一つJ2に来てしまうのは残念ですが、来シーズンはまたJ2が賑やかになりますね。元J1の強豪がどこもJ1に抜けていくのでチャンスという論評も見かけましたが、そんなに甘くないと思います。目先の勝ち点より、コラムにもあるように「クラブの総合力」だと思います。
 また、しまくんから「山雅がJ2降格って、予想がはずれましたね」と突っ込まれそうですが、予想うんぬんよりももっと広い視野でJリーグを観るべきだと思います。地元・J2岡山も、少しずつ変わっていきそうですね。というか変わらないと・・・
J1松本公式HP該当ページ:http://www.yamaga-fc.com/archives/41924
J1松本関連:2221

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