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クラブ経営について83    

2019-05-03 00:01:28 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 リスペクトコラムです。
 ここ最近、各Jクラブの経営面の決算報告が続いています。そうでした、前から紹介しようと思っていて、時間が無くてできなかったネタ。時間がかかるが、この連休で何とかできそうと思い、記事作りをやってみました。Jクラブの中で、ここは良い、ここは悪いと評価指標がいろいろあります。特に観客動員数などは、最寄り駅から遠い近い、他のプロチームの有無、ホームタウンの人口が微妙に作用するため、動員数が多いクラブイコール優れたクラブとは言えないという持論があります。そういう流れで独自に評価基準として「Jクラブの付加価値というものを設けています。そんな中、また違う指標がある事を知りました
    
【Jリーグマネジメント杯、浦和が2年連続優勝 経営戦略、財務状況でトップ】
「監査法人デロイトトーマツ・ファイナンシャルアドバイザリー合同会社は28日、Jリーグマネジメント杯2017の結果を発表し、浦和が2年連続3度目の優勝に輝いた。2位は川崎F、3位は鹿島、4位は磐田、5位は横浜。J2は1位が名古屋、2位が松本、3位が千葉、4位が大分、5位が山口、J3は1位が鹿児島、2位が北九州、3位が栃木、4位が沼津、5位が長野と相模原だった。
 7月にJリーグが公表した17年の財務情報を中心に(1)マーケティング(平均入場者数、スタジアム集客率、新規観戦者割合、客単価)(2)経営効率(勝ち点1あたりチーム人件費、勝ち点1あたり入場料収入)(3)経営戦略(売上高・チーム人件費率、SNSフォロワー数、SNSフォロワー数増減率、グッズ関連利益額)(4)財務状況(売上高、売上高成長率、自己資本比率)の4部門を数値化した。浦和はマーケティングは8位、経営効率は6位だったが、経営戦略、財務状況はともにトップ。リーグ随一を誇る入場者数がスポンサー収入やグッズ販売を押し上げていることが優勝の要因となった。」
引用:スポニチ
     
 全国的に名前が通った監査法人ですね。こりゃ本物だと。J2は面白いですね。山雅さん(昨季)、山口さんなど当ブログで名前が出てくるし、J1では川崎さん、J3は鹿児島の名前が出てきます。細かい評価基準は4本柱。マーケティング、経営効率性、経営力、財務状況というところか。詳しく観てみましょう。

【Jリーグ マネジメントカップ 2017】

〔クラブマネジメントの2つの側面〜FM・BM〕
 データ分析とチームマネジメントという組み合わせは、ビジネスとの親和性が高く、現在発展途上のスポーツビジネスという領域を大きく発展させる有効なツールであると考えられる。クラブチームのマネジメントには、いかにゲームで勝つかという「フィールドマネジメント(FM)」だけではなく、いかにビジネスとして収益を上げ、また事業拡大をするかという「ビジネスマネジメント(BM)」という側面がある。
〔数値化方法〕
 マーケティング、経営効率、経営戦略、財務状況のそれぞれのステージにデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーが設定したKPI(重要業績評価指標)を設定。
・マーケティング: 平均入場者数、スタジアム集客率、新規観戦者割合、客単価
・経営効率: 勝点1あたりチーム人件費、勝点1あたり入場料収入
・経営戦略: 売上高・チーム人件費率、SNSフォロワー数、SNSフォロワー数増減率、グッズ関連利益額
・財務状況: 売上高、売上高成長率、自己資本比率
 上記のKPIに基づいてリーグ別にランキングに応じたポイントを付与(J1で1位は18ポイント、J2の1位は22ポイント、J3の1位は14ポイントで、それぞれ順位が1つ下がるごとに1ポイント減らす)。最終的に4つのステージの累計ポイントによってランキングする。BMポイントが同率の場合、マーケティング、経営効率、経営戦略、財務状況の順で順位が上のクラブが上位クラブとなる。本年より「販管費100万円あたり入場料等収入」を主要KPIから外し、SNS活用に関するKPIを追加している
引用:デトロイトトーマツグループ公式HP
調査レポート:
https://www2.deloitte.com/content/dam/Deloitte/jp/Documents/c-and-ip/sb/jp-sb-sportsbusiness-j-league-management-cup2017-2.pdf

 まさに総合力ですね。ここで個人的に気になるの項目は、スタジアム集客率、新規観戦者割合、SNSフォロワー数というところ。3つのうち後の2つは、当ブログでも何度か取り上げましたね。地元J2岡山はどうでしょうか。このランキングでは岡山より一つ下のヴェルディさんから上を見ると、山口さん以外は全てJ1経験クラブでした。1つだけ取り上げてもよそと比較できないので、当ブログで評価の高い山雅さんと並べて比較してみましょう。
   
・BM point2017:      松本=2位(195)、     岡山=11位(156)
・平均入場者数:       松本=2位(12,146人)、 岡山=5位(9,471人)
・スタジアム集客率:     松本=1位(59.7%)、   岡山=4位(47.4%)
・新規観戦者割合:      松本=16位(2.6%)、    岡山=最下位22位(1.6%)
・客単価:          松本=2位(2,874円)、   岡山=15位(1,559円)
・勝ち点1あたりチーム人件費:  松本=18位(14.5百万円)、 岡山=15位(11.6百万円)
・チーム人件費:       松本=19位(956百万円)、  岡山=15位(638百万円)
・勝ち点1あたり入場料:   松本=2位(7.5百万円)、   岡山=7位(3.5百万円)
・売上高・チーム人件費率:    松本=18位(48%)、    岡山=12位(44.5%)
・SNSフォロワー数:    松本=4位(90,482人)、  岡山=最下位22位(7,386人)
・SNSフォロワー数増減率: 松本=18位(22%)、    岡山=2位(71.4%)
・グッズ関連利益額:     松本=1位(118百万円)、 岡山=6位(32百万円)
・売上高:          松本=3位(1,991百万円)、岡山=10位(1,433百万円)
・売上高成長率:       松本=17位(2.9%)、   岡山=12位(12.7%)
・自己資本比率:       松本=2位(66.4%)、    岡山=11位(25.3%)

  こういう結果になりました。総合的には山雅さんが2位で岡山が11位。この指標内では総合的には岡山は山雅さんをお手本にすべきでしょう。このうち、SNSフォロワー数増減率が2位というのはわかります。公式SNSを開設したのがつい最近なので、比較資料にはならないかな。あと前にも取り上げましたが、岡山は新規来場者割合がJ2最下位です。今季も無料入場イベントを積極的に実施されていますが、新規層が少しでも増えればいいのですが。この辺りは個人的には構造的な要因だと思っています。
 これらのデータについて、いろいろな見方があるでしょうから、それ以上は敢えてコメントはしません。山雅さんは今季2度目のJ1か。後からJリーグに来た後輩クラブなのに、先に2度もJ1昇格している。数字も含めてどこから見ても「J1にふさわしい市民クラブ」になるために、特に経営戦略面で山雅さんをリスペクトしていくべきではないでしょうか。面白かったですね。また2018年版が出た時にまた特集してみましょう。

コメント
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