リスペクトコラムです。
今回、久しぶりにNPBネタです。当ブログも一時期、四国アインランドリーグなど、野球の独立リーグの情報を次々と出した時期がありましたが、ここ数年はとんとご無沙汰でした。しかし、情報としてはNPB2軍チームの誘致として、静岡県の方で動きがある事は認識していました。まぁ2軍で1軍のリーグに参入する事は無いからという事で、ずっと様子を見るだけでした。ところが今回、今までとは違う新たな動きが出ました。
【NPB2軍戦参入へ BC新潟、静岡「ハヤテ」、栃木「エイジェック」の3団体申請】
「来季からNPBの2軍戦のみに参加する新規球団の公募に、3団体の申請があることが30日、分かった。締め切りはきょう31日で、BCリーグの新潟と、静岡市に本拠地を置く計画の『ハヤテグループ』が31日にNPBに申請する見込み。BC栃木や社会人野球チームなどを運営する栃木の『エイジェック』は既に申請書類を提出している。
4月と5月に東京都内で実施された非公開の説明会には2桁以上の企業、団体が参加し、5月に公募を開始していた。本拠地は今の12球団の1、2軍が拠点とする都道府県以外に置くことが条件。4月の説明会後に、NPBの井原敦事務局長は『全国的に裾野を拡大したい』と目的を語っていた。
参入球団はNPBへの加盟ではなく、2軍戦のみに参加する。現在イースタン、ウエスタン両リーグともに球団数は奇数。1球団は試合がない変則的な日程解消のため、球団数を偶数にするべく新規参入の目安を2球団として構想は始まった。応募数と審査次第で増減する可能性があるとしてきた。
今後は9月末をめどに、球団経営についての1次審査を実施する。試合運営や選手育成に関する2次審査を11月30日までに行い、その後、オーナー会議の承認を得て新規参加球団を決める。」
引用:スポニチ
昨年秋に開催された、NPBの12球団オーナー会議で2軍リーグ拡大を図る「NPBビジョン」の承認からの流れですね。この時に、独立リーグと連絡協議会を設置し、意見交換を行っていくことも決まったそうで、独立リーグとの関係性もにじみ出てきましたね。
まずは春に開催された説明会に2ケタ以上の参加企業という点に目が留まりました。興味を持った企業が現在のNPB球団と同じ数あったという事で驚きました。既存の独立リーグ球団が多かったようです。よく考えたら、今や全国に独立リーグ(5つのリーグ)のチームがわんさかあり、当然その運営法人、チームに関わる企業もある訳で、ごく当たり前の現象かなと。
ただし、本拠地がNPB以外の地域が条件となると、結構減って来る。当然都市部ではなく、地方都市になってきて、多くの来場者が見込めない点と、逆に地元の独立リーグとの兼ね合いなど、いろいろ出てくる。でも、NPBの「全国に裾野を拡大したい」というコメントは素晴らしいですね。
現在イースタンリーグは7球団、ウェスタンリーグは5球団と確かに奇数ですね。という事は新たに参入する2球団はウェスタンリーグに組み込まれるのかな。でもそれでは奇数のまま。という事は1球団ずつ増やすのか。今回申請してきたのは3球団で1球団は落選。そんな中で登場した3チーム。もう少しリスペクトしてみましょう。
【新潟・BC新潟(新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ)】
新潟県に本拠を置くプロ野球チームで、2007年より独立リーグのルートインBCリーグに加盟。2004年にプロ野球再編問題の過程において、NSGグループの創始者で、J1新潟の当時社長だった池田弘氏が、整備計画が進められていた新潟県立野球場(仮称)の竣工に合わせてNPBへ加盟申請。球界再編騒動の収束後、新球団計画は「NPB加盟球団の創設」から「独立リーグの創設」へ方針転換。2006年に「北信越ベースボール・チャレンジ・リーグ」の運営会社が発足し、4個人51法人が出資者となり、新潟県を本拠地とする新球団「新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ」を設立。
【静岡・ハヤテグループ】
静岡市と「スポーツの推進に関すること」などを軸に、地方創生の推進・地域活性化に向けた包括連携協定を締結。NPBが昨年 11 月に公表した「ファームリーグ拡大構想」を踏まえ、静岡市は清水庵原球場を本拠地に新球団創設について「球団創設構想の推進」を発表。その後、静岡県・静岡市と三者連携協定を締結。
中核企業の「ハヤテインベストメント」は、2005年に設立され、東京証券取引所至近のビルに本社を置く新鋭ヘッジファンドです。日本中小型企業株への投資によって収益を出しており、2018年には調査会社ユーリカヘッジから「ベスト・ジャパン・ヘッジファンド賞」に選ばれた「和製ヘッジファンド」だそうです。
【栃木・エイジェック(栃木ゴールデンブレーブス(GB)】
栃木GBは栃木県に本拠を置くプロ野球チームで、2016年より独立リーグのルートインBCリーグに加盟。2017年に小山市をホームタウンとすることを発表し、旧小山市立梁小学校の施設が、小山市等の支援により整備され、「小山ベースボールビレッジ」という名称が付けて活用。
エイジェックは、その栃木GBを運営する人材派遣業等の企業で、栃木GBの運営も引き続き行う方針。認められれば、12月に新球団を立ち上げ、リーグ参加要件になっている屋内練習場整備については来年4月、栃木市沼和田町に開設する予定だとか。
こんな感じでした。さぁ3団体のうち2団体、どこが入れるのでしょうか。個人的には新潟さんに入って欲しいですね。当ブログでは「付加価値が高い公共財Jクラブ」の1つであり、JクラブもBクラブも新潟さんは馴染みが強いので。今回の動きは、野球人口の減少や、独立リーグの頑張り、バスケなどのトップスポーツの興隆など様々な要因が背景にあると思います。特に野球部員の減少など、スポーツ自体の人気低下が見られます。今までのように12球団でがガチに固めるアメリカ型の興行環境では確かにそうなるのかもしれません。そういえばBリーグがまさに、アメリカ型(NBA)に舵を切ろうとしていますが、いつかNPBのように頭打ちになるのではと、最近思い始めています。
あと、2軍の試合だけの興行で経営できるのかという声もあるようですが、例えば倉敷マスカットスタジアムを本拠地に、岡山の新球団ができたら、岡山には野球ファンが多いので観に行くのではないかと思います。ちょうど先月に公式戦があり、岡山ゆかりの選手も何人も所属している事もあって、6千人以上の観客が入ったとか。いくら2軍限定チームでも、阪神や広島、ソフトバンクと試合ができ、時々2軍で調整中の1軍選手も出てくるのでそれなりに見応えはあると思います。とにかく岡山県は野球ファンが圧倒的に多い。いつもマスカット球場はいっぱい入ります。特に阪神ファンが多いのかな。
というか、岡山から説明会には行っていないのでしょうか。その昔チーム岡山で独立リーグ参入が検討された事(当ブログも見学しています)がありましたが、今回はそこまで元気は無かったのか。なかなか簡単にはいかないでしょうが、2軍や独立リーグでいいので、いつか岡山にもプロ野球チームができて欲しいですね。
独立リーグ関連(全般)⑤:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20211111
〃 (関西)④:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20090524
〃 (関西)③:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20081119
〃 (関西)②:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20080309
〃 (関西)①:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20080108
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