CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】職業としての小説家

2015-11-28 21:18:18 | 読書感想文とか読み物レビウー
職業としての小説家  著:村上 春樹

村上春樹は、今回初めて読んだんじゃないかと思う
もしかすると、ずっと前になんか読んだかもしれないが
それは村上龍のほうでないかしらと思うところ
翻訳モノはあれこれ読んできたんだが、なかなか
というわけで、意識的に読んだ初村上春樹でありました
でもエッセーなんだな

そういう、基礎情報がまるで足らない状態だったのが
非常によろしくなかったという読後感でありまして、
やはり、どういう作家さんなのかというよりは、
どういう小説書いている人なのかを知ったうえで、
作者をあれこれ想像して読むべきだったと
大変反省をしてしまったわけなのだけども、
随分と、日本というか、色々なところから
嫌われたり、難儀な目にあった人なんだというのだけ
ものすごくよくわかったのであります
凄い人というのは、だいたいそういうもんなんだろうな

結局、そういう日本が嫌で海外に軸を移したと
まぁ、そのいきさつが書かれていたわけでして、
なるほどと納得するところ多く、
そして、当時、そんな風に生きている人が
また多かったのではないか、
それがかっこいいと思われたり、すかしてると思われたりと
またやっぱり、反感を買ったんだろうかしらねと
想像に難くない感じでありました

しかし、地道にそして真面目に小説家として生きるといっていいのか、
ちょっと、章によって、話が矛盾してないかしらと
感じなくもなかったところはあるんだけども、
自分のあるがままというのを貫いて、
また、そういう作風を小説にできたということで
世界で評価される作品を作り上げたというのは
凄いことだと素直に感心というか、感動してしまうところであります
才能と呼ぶべきか、さりとて、
本人はそうではないといってるしなぁと
なかなか、形容しがたいそれで成された所業でありました

ちょっと意外というか、驚いたところでは
夏目漱石について、一家言という言い方は適切でないけど
思うところが、ありあり伝わってきたのが
凄く喜ばしいところでありました、
そうか、夏目漱石好きなんだ、すばらしい
そんな風に思ったりしながら、
ちょっとだけ、この世界的な小説家が身近に
感じられるような気分に浸れる、そういう一冊でありましたとさ