CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】テトリス・エフェクト―世界を惑わせたゲーム

2018-09-15 21:14:21 | 読書感想文とか読み物レビウー
テトリス・エフェクト―世界を惑わせたゲーム  著:ダン・アッカーマン

知らないことは本当に世の中に多いな
そういう気分になった、或る意味現代史をまとめた本でした
ゲームという一種独特の世界において、
テトリスという大発明が、どのような運命を辿っていたか
その開発者や、仲介したものたちの物語といえばかっこいいけど、
東西冷戦の時期、ソ連という不気味なそこで産声をあげた
このゲームが、どうやって世界を席巻していったかが
克明に記されていて、非常に読み応えがありました
ただただ、面白かった

テトリスがソ連生まれというのは、
まぁ雰囲気もあるし、なんとなく知っていたのでありますが、
このテトリスをそもそも開発したという環境が、
ソ連の物凄い遅れたコンピュータの中で、
しかもオリジナル版は文字列で出来ていたというのが
かなり衝撃でありました
そんな内容なのに、やり始めると止まらなくなる
後ほど、テトリスエフェクトなる言葉で語られるらしい
一種の中毒性が、とてつもない黄金となるのだけども
これをライセンス販売するということが、
そういう概念のない国のもと、どう成功させていくかという部分が
大変に面白いのでありました

また、そんな風に思ってもいなかったけども、
テトリスを最大に知らしめたのが
ほかでもないゲームボーイだったというのも衝撃でありまして、
このときの任天堂という会社の凄まじさも
目を見張るようであったのでした
凄いな任天堂、というか、ゲーム業界って
やっぱりアメリカありきなんだなと、洋ゲーに親しくないので
よくわからない世界だったけども、
もうその頃には、凄い市場があって、切磋琢磨というか
ファミコンが席巻しつつあったんだなと
なんとも懐かしさも覚えつつ
驚きを感じたのでありました

開発者が最終的には報われたらしいという報告とともに終わるので
よいものを読んだとほのぼのしたのでありますが、
テトリスがついついやめられなくなるという
この不思議については、パズルゲームが一種の麻薬であるという見解を示して
言われてみると思い当たる節があるなと
思ったり感じたりしながら、
テトリスの様々なバージョンの話だとか
知っていそうで、知らないことも多くて
世代もあってか、非常に面白く読み終えたのでありました

テトリスのライセンスって、確かに凄まじい利益というか
莫大な何かを生みそうな、それでいて、
多くの生産性を堕落させそうな軌跡のゲームであるなと
感じるのであった