CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】中国古陶磁入門

2018-03-16 21:52:56 | 読書感想文とか読み物レビウー
中国古陶磁入門  著:中島 誠之助

中島先生の20年以上も前の本であります
まだこの頃は相当に元気だったんだろうなと
文章から伝わってくるようでありました
ちょうど、鑑定団が当たって載りに乗っていたときなのかもしれない
そんなことを思ったりしながら、じっくりと読んだのであります

入門という本ながらも、書いてある内容は、
どちらかといえば、先生の駆け出しの頃から培ってきたことや、
経験した内容の集積といったところで
入門書として使うものとは感じないのでありました
読み物として、非常に面白いと思ったから、
もっといい名前があったんじゃなかろうかしら

題名の通り、中国古陶磁を古いものから順番に、
そしてとても丁寧に解説していまして
ここのところ濫読していた、中国陶磁器の知識が
かなり整理されて、最初からこれ読んでおけばよかったのかと
ちょっと圧倒されてしまったのでありますが
非常に楽しめてた次第であります

先生得意の伊万里に通ずる部分の解説が
やはり、冗長かしらと思わなくもないものの、
宋代の陶磁器が、一等といえばいいか、一種極めたのだというところが
ありあり伝わってくるような熱量で、
非常に楽しい読み物でありました
特に、青磁に関する細かな解説が役に立つというか
なるほどなぁと思うところも多くて、
本物の汝窯の在り方というものなんかもわかったりして
楽しいことこのうえない

中国の歴史もさらりとながら、丁寧になぞってくれていますので
そういう方面からも、なかなかに楽しく読めて
いつぞやにも思った、陶磁器をめぐるということが
歴史を巡ることに通ずるなというところを
再認識させられたような気分でありました

あまり騒ぎ立てるのもいかがなものかというところながら、
天目に関しての詳細な記述も興味深くて、
先生なりに、耀変というものを国宝のそれだけに限っていない
そう読める書き方であったことから、
例の鑑定結果についても、耀変という定義そのものが、
騒ぎ立てたなにかれと、異なるものだったんじゃないかとも
思わされたりしたのであります

ともかく、中国陶磁器についての詳細が
非常にわかりやすく読めて、これは一冊手元においといたほうが
いいんじゃないかと思えるほど
優しく解説されていた、いい本だったと思ったのでありました
文章が上手なのかもしれない、そう思ったりしつつ
読み終えて、満足なのである

本を読んでしまうと、やはり、そういうものが
欲しくなってくるものでありますね

【読書】チルドレン

2018-03-15 21:26:58 | 読書感想文とか読み物レビウー
チルドレン  作:伊坂 幸太郎

結構古い小説のようでありましたが
読んで、ほのぼのとした気分になれました
こういう、突き抜けた感じがいいなぁと
変に鬱屈していないというか、
ジョーカーといって差し支えない、途方もない感じが
いやみなく描かれていて、救われるような気分になって
胸いっぱいなのでありました

なんの話だったのかといえば、
陣内という、ちょっと図抜けた男の話だったと
そう片付けてしまいたくなるくらい、
アクというか、癖の強いキャラクタが居て、
舞台装置としては、視覚障害者や、家庭裁判所や、
離婚や犯罪やと、なんだかんだと繋がっていくんだけども、
そういった、難しい、難儀な問題に取り組みつつ
その答えを、陣内が出す、
あるいは、陣内によって暴かれるといった感じで
無茶苦茶なのに、何か落ち着いてしまう
この妙が見事だなと
しみじみ読んだのでありました

説教臭くなりそうな内容だったり、
若者に対して、どう触れるべきかを示唆していたり
感じるところは多々あるのだけども、
これもまた、陣内でないと無理だという内容で占められていて
まねしたいと思わないし、できない、
だけど、なんかいいのかもしれない、やっぱり駄目だ
なんて、小説内のその他大勢と同じ感想を抱いてしまうのでありました

気持ちのよい小説だったと思うし、
なんか、元気が出たというか、あれこれ悩んでいるのが
しょーもない気分にもなれて
とてもいい小説だったと、胸を張っていえる現在であります

年末台南高雄旅行 04 旗後砲台跡と燈塔

2018-03-14 21:33:43 | 年末台南高雄旅行(2017)

普通の家にパパイヤが生えている

さて、旗津半島に来たわけであります
半島という名前なのに、独立した島っぽいのはなんでと思えば
もともとは繋がっていたのだそうで、
フェリーやら船の行き来をさせるために
半島を切り崩して、島にしてしまったのだそうであります
この話が本当かどうかは、自分で調べてみましょう(なんだかなぁ)

とりあえず、旗津半島といえば灯台というわけで
北端へと街中を抜けて歩いて移動します


砲台&燈塔の看板
ふもとに到着、ここが小山になっていまして
上っていくことになるのですが、
さほどにきつい勾配でもないので、
さくさくと上ることができました、もっとも
同行させていた年老いた父は苦しかったようで、
何事も若いうちに経験しておくのがよいと思うところである


砲台側から上っていきまして、たどり着いたのがここ
砲台跡であります
史跡で、何時ごろ活躍した砲台なのかはわかりませんが
要塞になっていて、なかなかに楽しいのでありました




中はそこそこの広さで、弾薬庫跡だとかもあったりして、
興味深いのでありますが、高台にあって海が臨めるとあって
非常に景色がよいのであります


遠くに高雄85が見えたり

高雄随一のビーチが湾曲ともども見渡せたりする

このあたりの景色が非常に素晴らしくて、なかなか
楽しかったのであります、そして極めつけに


夕陽のサンセットが超絶かっこいい

素人が撮っても絵になる的で物凄く気に入った

このほかに似たような写真何枚も撮ってしまったのでありますが
夕陽シルエットというのは、なんかわからんが
満足度の高い写真になるなと、高雄とかほぼ関係ない
自慢話でしかないのだけども、感じるままにメモっておくのであります
このシルエットを見てわかるように、結構な数の観光客が居まして
賑わいがあって楽しい雰囲気でありました

そこから少し歩いて、今度は灯台側へと移動


が、到着したとき、ちょうど時間切れとなってしまい
中に入ることが叶わず
これが衝撃的に残念でありました
しまった、夕陽撮るのにかまけすぎて時間を無駄にしてしまった
父親とがっくりうなだれつつも、仕方なく遠めから灯台を撮影


たぶん灯台

実際はこの中に入って、あれこれ眺めたりできたんだそうだが
非常に残念であります、またいくことあるかな
行きたいなぁと思ったのでありました

そんなわけで、さくっと1時間ちょっとくらい遊べたというか
歩いて廻っただけなのでありますけども
見るものが珍しくて、非常に楽しかった一時間を過ごせたのであります
さて、夕陽も沈んだので、そろそろ海鮮を探しに
街に移動するのであります

【読書】夜の公園

2018-03-13 21:31:05 | 読書感想文とか読み物レビウー
夜の公園  作:川上 弘美

なんといったらいいんだ、
読み終わって、ああ、なんてため息に似た何かを吐いて
面白かったとか、感動したとか、
そういうのとは遠い、なんか読み終えたという
感触は生々しいのに、どうといえない
そういう感じであります

素人、というか、本当に自分なりの感想として
この作者は、男性の心情をよくよくわかっているな、
なんて偉そうに感じたのであります
女性作家なのに、この男が女に対して不可解に思うところと、
女が男に対して理解から遠い何かとを
物凄く的確に描いていたように感じるのであります

内容は、不倫だとか、なんだとかと
そういうお話なんだけども、
それだけともいえないものを包含しつつ、
でも、物語としては男女の、それも、痴情のもつれめいた
どろどろとした、と形容したけど
案外さばさばした内容なのが、これまた、
女性っぽいと思わされたんだが、実際どうなんであろうか
不思議な女二人の独特なルールというか
生き方を見せられたようで、
きっとこれに、女性は物凄く共感するんだろうなとか
あてずっぽうを言い募ったりするのでありました

旦那のことを好きではないと気付いた、
そういうところから、違う男と
なんとなく体の関係を持ってなんていうことが、
つらりつらり、それがまた、友人が旦那に懸想していてとか、
もう、そういうのをわかっていて、
それでいて、どうとでもないと、考えていることと
やっていることと、何か、
男というか、私なんかが呼んでいると不安で仕方ない
この乖離が、不思議な魅力というか、
ああ、女っぽいなぁ
なんて思ってしまう内容だったのでありますけども
どうだっただろうか

女は強いとか、女の友情とか、
そうか、
これが女の友情なのかしら
なんて、また、わからないことを思わされた
そういう一冊だったように思うのであります

【読書】うみの歳月

2018-03-12 21:24:36 | 読書感想文とか読み物レビウー
うみの歳月  作:宮城谷 昌光

どうも自費出版単行本なんだそうで、
氏が若かりし頃に書いた現代小説を集めたもの
純文学めいた、と言っていいかわからないのですが、
どこかうすくらい感じの印象を抱かせる
中篇短編が編まれていました

何がという感想を抱きにくい
男女というか、夫婦についての描写と心情が
とつとつ描かれている小説で、
面白さというのとは別のような、でも、ずいずい読まされた
不思議な読み応えを覚えたのであります

個人的に好きというか、興味もって読めたのは、
私小説めいた内容の「発見者」というもので、
氏が凝っていたカメラの話も含めて、おそらくは、
小説家としてなかなかうまくいってなかった時代を
小説化して読ませてくれたものでないかと
思ったり感じたりしたのであります
条件や、状況はだいぶ違うのだろうけど
逡巡でないが、感じていた鬱屈というか、心の動きのようなものは
こういう作用だったんじゃないかと
思い図れるようで面白かったのでありました
まぁ、何よりも、京都、愛知、岐阜と
個人的にとても馴染み深い場所ばかり出てくるので
情景を想像しやすかったのもあると思うのでありました
西尾のバラ園とか、ああ、行った、行ったと
思わずうなってしまうような地元のマイナー観光地が
結構あれこれ出てきて楽しいのでありました
また、陶器を買いに、多治見、土岐、瀬戸なんかを廻りつつ
途中で市之倉に寄って、誰、と現代作家をあえて挙げないあたりが
なんというか、そこはやっぱり、幸兵衛窯だろうかなと
勝手に思ったりして、楽しいのであったが
完全に自分の趣味だけの話であるな、感想として弱い

と、反省を少々挟みつつであるものの、
現代小説で、夫婦や親子といったものが、煩わしい関係と感じたり
それが必要であったり、様々な角度から見え隠れするものとして
何か考えさせられるところがあると、
そういうのが楽しい一遍であったように思うのでありました
不思議と読めた、そういう感じで
好きな小説だったなと思えたとメモっておくのであります

西郷どん  篤姫はどこへ

2018-03-11 20:45:18 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「西郷どん」
視聴完了であります
江戸での薩摩の策謀が描かれた、
非常に面白い回であったように思うところ
橋本左内がさらっと出てきて、これもまた
一癖ありそうで素敵と感じたのでありました

また、篤姫界隈については幾島が出てきて、
そこではたと気付いたけども、吉之助のお母さんが
そもそも幾島だったなとか、思い出すのが遅い感じで
恥ずかしい限りでありましたが、
また別の路線で、少しコミカルな幾島が
なかなか楽しみでありました
いい塩梅の啖呵というか、キャラとシナリオが楽しみな感じでありました

物語自体も、一橋に関する様々なことが
至極丁寧に説明されて、それが、西郷にはまだ早いという感じで
左内がちょっと可哀想な描かれ方だけども
なかなか楽しく、わかりやすいお話でありました
あれこれと画策していて、この後、彼だけがなぁというあたり
ここで、吉之助と少し距離を置くようになるのか
わからんが、大獄に向けての準備が
進んでいくようで楽しいと思われたのであります
また、井伊様出てこないかしらと
そっちが楽しみになってしまう

シリアスというか、難しい題材を料理する回だったけども
コミカルな演出で見せてくれて、ながら見しながらも
わくわくと楽しめて、ステキな大河ドラマだわと
快哉をあげつつ、また次週を楽しみにするのでありました
でも、さっさとやってかないと、西郷どんはやることいっぱいあるから
ペースが心配でありますね

年末台南高雄旅行 03 旗津半島上陸そして旗津天后宮

2018-03-09 21:38:34 | 年末台南高雄旅行(2017)
フェリー乗船であります


凄い勢いでバイクも乗り込んでくる、これがなかなか壮観

かなり人の行き来があるようで、船の数は多いし、
載ってくる人数も相当多いのでありました
ほぼ満席というか、満車という感じで
写真のようにバイクはわんわんやってくるし、
徒歩の人も、相当数が二階部分に入っていきます


二階のバルコニー的なところからしばし風景写真をば
高雄85ビル


前回どっか別のところから見た灯台と島


行き交うフェリー
私が乗ったのも、この形でありました
下部分がバイク乗船の部分で、二階部分に徒歩の人がたまっています


そして、島側のフェリー乗り場に到着
前回高台から見た謎の建物はフェリー乗り場だったようである
真冬だったおかげか、あまり潮の匂いも気にならず
心地よい風に吹かれながらの15分ほどでありました

今回、これがメインといっても過言ではないのだけども、
この旗津半島にやってくるというのが、高雄の地元でも
ちょっとした観光遠足になっているようなので
楽しんでこようと乗り込んだ次第、
ただ、バイクも借りずに歩きで廻ったために
今考えてみれば、惜しいことをしたと思うところ


で、その借りられるバイク
見ての通り、自転車に原動機を着けるという、昭和のホンダかといった乗り物でありました
これはこれで思い出つくりにぜひ載りたかった気がする
まぁ、免許とかどういうやりとりになるかわからないので
スルーしてしまったのでありますけども、人と一緒にいくことないから
チャンスはその時に生かさないと駄目ですな

と、反省さておき、まずは海の神様「林黙娘」を祀る媽祖廟を訪れます


媽祖廟
前回高雄に来たとき、凄い大きな像を見ましたが
あれの高雄における大きい廟のひとつであります
さすが海産の島というべきか、当然、媽祖信仰が強いので
人もそれなりに大勢いて、賑わっていました
もっとも、言うほど大きくなかったのでありますが


神様なのか、なんなのか

廟の中はさして代わり映えはしないのであります

今回の旅の成功を祈り、ぼちぼちと、半島探検を開始していきます

【読書】磁州窯瓷 鑑賞と鑑定

2018-03-08 21:18:32 | 読書感想文とか読み物レビウー
磁州窯瓷 鑑賞と鑑定  著:王建中

前回の定窯に続いて、磁州窯であります
正直、私は詳しくないジャンルでありまして、
読んでなるほど、こういうのもあったのかと
非常に勉強になったのでありました

黒地に白い刻みが絵を作る
この独特の掻き落とし手法による陶磁器が
なかなか魅力的で、カラー写真には見入られてしまったのであります

読んでみれば、成立がやや新しく
五代から宋にかけてだそうで、唐の時分にはまだ
下地といった様子だったようでありますが、
民窯として長く技術を高めてきて、人気を博していたと
そういうお話でありました
なかなかに興味深い

いくつかの名品については、北京の故宮にたくさんあるのだそうで、
そのあたりから、まぁ、いやらしい言い方でありますが
台北の故宮にないのなら、そこまでの人気があったわけでないのかなと
ちょっと、感じてしまったのでありますけど
実物を見たら、これはこれで見事と
圧倒されそうな迫力をカラー写真から感じ取ったのでありました
文章で伝えることは難しいことこの上ないのでありますけども、
白い壷に、鋭く刻まれた龍の文様が黒々と
テキスタイルめいて、超かっこいいとつばを飲むほどでありました

文章内容では、鑑定の部分に結構な技術アドバイスがあり、
実際、その通りできるとは思えないのだけども、
磁州窯瓷の特徴と時代の判別について
かなり詳しく書かれていたのでありました
色味だとか、土味だとか、ついでに科学分析の結果まで載っているので
これはこれで、非常に興味深いと思われるのでありました
実物と贋物と並べたうえで、もう一度この本読みながら
じっくり比べてみたいと思ったのであります

ともあれ、とても楽しく読み終えて
また、次の中国陶磁器シリーズに手を出したいと
意気揚々としているのでありました
ああ、こういう名品をじっくり眺めてるだけで
お金もらえるような仕事ないだろうか

【読書】1Q84

2018-03-07 21:57:37 | 読書感想文とか読み物レビウー
1Q84  作:村上 春樹

いまさら?
そんな感じですが、ようやっと読みました
長かった、まさか3冊もあるなんて知らなかった
知ってたら読まなかったかもなんて、思わなくもないのですが
読んでみると、さらりと読めてしまうのが
村上氏の文章の凄いところだなと
改めて感心したのであります、読みやすい、
流れるように文章を楽しめて、好きだわ

さて、読み終えて、感想をという感じで
このメモを書いているわけでありますけども、
どんな話だったかというと、なんだろうかねと
なかなかどう、説明していいものかと、頭をひねってしまうのであります
SF小説だった、という感想、指摘が正しいのか
それすらも不安になってしまうのでありますけども、
とても不思議な時空のゆがみめいたものを描いていて
最終的には、男女のロマンスだったのかしらと
なんか、ステキに落ち着いたのは理解できるんだが
どういう物語だったかと問われると
説明に窮するといった感じの現在であります

理解できなかったと、言ってしまっていいのか、
その割には読んでいるときに、非常に面白い、楽しいと思えていたので
そうでもないようなと感じてしまうのが不思議
二人の主人公を追っかけながら、やがて、
その二人のつながりが明らかになってきて、交わると
そういう感じだったのでありますが、
その途中に様々、出てきた人たちが音もなく、声もなく、
突然にいなくなってしまうということが続いて
これもまた、不思議な世界観だなと
読んでいて、面白いが、どこか切ないような
不可解な感覚を覚えたのでありました

本歌にあたるのかわかりませんが、
ビッグブラザーが出てくるほうと、どれくらい似通ったというか、
何か示唆したものがあったのか知らないのでなんともわかりませんけども、
こちらでは、リトルピープルなるものが出てきたりして
そして、それらが何かを支配していたかというと
別にそんな話でもないしと、本当にもう
不思議な世界を描いていたんだが、それがなんなのか
説明できないものであったように思うのでありました

魅力的なキャラクタが様々に出てくるし、
驚きの人死にも出現したり、そしてチェーホフが
なんて思ったりもするわけでありましたが、
このあたりはメタ的に楽しむべきだったのかわからず
でも、なんだか、お洒落に文章を楽しめたような気分になれて
あれだけ流行ったのに、感想をいまいち聞けなかった理由が
読んでようやくわかったような
そういう感想を抱いたのでありましたとさ

ともあれ、面白かったから、よかったというべきなんでしょう

【映画】この世界の片隅に 二回目

2018-03-06 21:53:32 | ドラマ映画テレビ感想
先日、近所の映画館でリバイバル上映やっていたので
ついつい見に行ってしまったのでありました
前回の感想とどこが違うかなと、
ちょっと自分の感想を読み返してみて

泣くようなことはなかったけど感動した

などと書いていて、今回、ボロ泣きしていた自分をかんがみるに
なんというかな、映画というのは
本当に見たときの心境というか、心情、立場によるのだなと
つくづく思い知らされたのでありました

水原さんが泊まりにくるシーン、
はるみさんが死んでしまうシーン、
終戦のシーン

この3点で泣いてしまったのでありました
特に、なぜ一個目で泣いたのか自分でもよくわからんのだが、
その直前のやりとりで、「死に遅れるというのは辛いものですな」という台詞が、
なんというかな、ぐっと心に刺さったというか、
あのシーンを含めての、笑い続ける水原さんの心境に
なんだか、心をえぐられたように思うのでありました
あのあとのすずさんとのなんだかんだも、いいシーンだなと感動したんだが、
あれを受けてからの夫婦喧嘩という流れが
まぁ、見ていると秀逸だなぁと思わされて、また
あのシーンがあってこそというべきか、ラストでの周作さんとのやりとりが生きて、
いやー、結婚してみてぇなぁ、なんて
思わされたりしたのでありました
自分はどっちかというと、ワニの嫁をもらった鬼ぃちゃん側なんだけども
あれこれ考えさせられてしまうのでありました

もう一度見て、落ち着いて、画面の隅々まで見ることができて、
また流れをゆっくりとおっかけられて、凄く楽しかったのでありました
映画館で見るというのがまた、いい経験というか体験になる映画だなと
改めて思い知ったのであります
音響よいところで見たい、そういう映画だと思うのでありました
このあたりは、前回の感想と変わらないところかとも思う

あのあと仕入れた知識を補完でもないが、
女学生の行進を見て、ああこれがと、その後のことを憂えてみたり、
初見ではうまく理解できなかった、妊娠騒動の部分もすっきりと消化できたり、
なんだかんだがあったのだけども、
やっぱり、この映画好きだなぁと、そういう気持ちを持っただけでも
十分だったなと思う鑑賞でありました
見てよかった、また見たいと思える

【読書】パラダイス・ロスト

2018-03-05 21:43:32 | 読書感想文とか読み物レビウー
パラダイス・ロスト  作:柳 博司

随分前に、これの初回作になるジョーカーゲームを読んだのですが、
今になって、なんとなく図書館で見つけたので読みました
前からそうだったかな?とちょっと、
かなりのエンタメ路線、そして、スパイ物語っぷりに
驚いたりしながら読み終えたのであります
痛快であるし、ささっと読めてしまって
非常によかったんだが、大戦の結末を思うに
なんか、どっかしっくりこないとか感じてしまったのである

内容は、完全にスパイアクションもので、
謎解きもトリックを含めて、情報操作だとかが主流となっており、
狂言回しが、いいように振り回されると
そういった内容に終始するのが独特なところ
これはこれで、非常に面白く読めたんだが
最近、年齢を重ねたせいか、こういうのが鼻につくでもないが
素直に楽しめなくなっているのも確かであります、
多少強引すぎないか、と思わされる部分があったりするんだが
案外、世の中そういうもんかなとも
感じたりするのでありました

操作の方法も、物凄く薄いもので、
なんとなく印象操作をするというものが多く、
あることに当たらせるにあたって、
暗示のようなものをかけておくことで、ミスリードを行うと、
書いてみると随分かっこいいそれなんだが、
そのトリックを解説する部分が
えらい丁寧に書かれているせいか、なんか、違うなと
思ってしまったのだけども、
解説されないと気付かないようなトリックだったりするし
こういうのは、さじ加減が難しいところでありますね

と、そんな偉そうな物言いで感想を書くべきではないのですが、
二次大戦という背景を担っているものの、
舞台装置だけで、ほとんど関係なく、スパイが活躍するという
単純娯楽を楽しめるという点で、満足度が高いと思われたのでありました
上手に操られてなんとか、どうしたといった話ばかりなんだが、
世の中、ちょっと得している人間とかは
こんなことをしてんだろうかと、狂言回し側にいる身分としては
考えさせられるというか、でも、こんなの気をつけようもないよなと
思ったり感じたりしたのでありましたとさ

しかし、スパイ強すぎるんじゃないか
いくらなんでも、どうかしているレベルではないかと
思っていましたが、娯楽活劇がそれくらい楽しくなくてどうすると
思ったりもするのでありました

西郷どん  江戸のヒー様

2018-03-04 21:06:01 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「西郷どん」
視聴完了であります
江戸編スタートといった様相で、
予告に出ていたお庭番の話が、まさか、本当に
庭掃除する番人とはつゆとも思わず
なかなか楽しく見終えた次第であります

とりあえず、お庭番について、
大久保のフォローが的確というか、素晴らしい加減で、
ああいう頼もしい友達がほしいものだと
つくづく思い知らされたように感じるところ
用心棒もかねているというのが、なかなか、
本当っぽくていいなぁと、嘘、いや、実際そうだったのか、
そのあたりは怪しいものでありますけども
なるほどと思わされたのでありました

ドラマっぽいなというところでは、
ケーキ公が遊び人風で、あんな場所で出会うとかいうのが
まぁ、これはこれでいいかと思ったりするところ
あんまり幕末感がなかったような出足でありましたが、
江戸に出てきて、各藩と出会うようになってくると
一気に幕末っぽさが出てくるんだろうなと
今回のとりあえず水戸様だけでも
十分に伝わってきたのでありました
また、斉彬公もよかった、悪そうな感じとキレ者加減とが共存してて、
傲岸で、テケトーと見せかけて、凄腕の政治家という感じが
いい塩梅で伝わってきたように思うのであります

あとは、ほとんど出番なかったけども
井伊様が非常に期待できる感じで、
そういや、どっちも雪斎だったなと思い出したりしつつ、
桜田門の因縁も含めて、
非常に楽しみに思えたのであります
井伊がクローズアップされる二年となるように
楽しみにしたいのでありました

【映画】グレイトスト・ショーマン

2018-03-02 20:33:02 | ドラマ映画テレビ感想
話題作といっていいんでしょう、
ラ・ラ・ランドスタッフの新作と聞いて
わくわくして見てきたのでありますが、
どうやら、スタッフじゃなく音楽担当が一緒だっただけのようで、
ラ・ラ・ランドみたいにしっとりしたお話じゃなくて
のっけからぶっ飛ばしていくような
本当にもう、胸がすくようなお話でありました

ミュージカルなので、唄ってばっかりなのに
それで、ストーリーはずいずい進んでいくし
印象的なシーンの音楽と歌がまた最高にかっこよくて
まぁ、見入った、見入った、物凄くいいもの見たと
満足度がきわめて高い映画でありました
そうだよ、映画ってこうじゃないとなと言いたくなるくらい
すかっとして、アップテンポな内容でありました

ともかく、全編出てくる曲と歌とを使ったミュージカル調子が
たまらなくよくて、こんなの見てしまうと
もっとミュージカル作品見たくなってしまうというか、
ともかく、かっこよさを初めて教えてもらったような
そういう気持ちになったのであります

実際はどうだったかわかりませんが、
物語上は、主人公のバーナム氏がわかりやすいほど
上昇志向というか、成り上がりっぷりを発揮して、
その成り上がるまでのアイデアもよかったりして、
ウイットに富んだよりとりも多く、
悪評を載せた新聞が出回れば、それを持ってきたら
入場料半額にするとか、かっこよすぎる
物語は大変わかりやすく、最初の成功から挫折、そして大成功と
もう、見ているだけで元気があふれでてくるかのような
あまり難しいことは考えてはいけない
そういう内容であったように感じたのであります

まぁ、見方によれば、昨今のアカデミー賞批判なのかもと
ちょっとうがった見方をすればとれるような
フリークスの取り扱い方だとか、その論評だとかを
読み取ったりもしたのでありますが
そういうのは多分見当違いでありまして、
ただただ、自分のやりたいことをやりきって、
それによって失敗もすれば成功もするし、
人間らしく、間違えることもあるといった感じで
一人で見ても感動だし、
仲良く誰かと見るのもまた、いい映画だなと
エンターテイメントの素晴らしいものを見たと
快哉なのでありました、非常に面白かった
音楽だけ、何回も聴いていたい、そう思ったのである

年末台南高雄旅行 02 打狗鐵道故事館と鼓山輪渡站

2018-03-01 21:11:31 | 年末台南高雄旅行(2017)
さて、腹ごなしも済んだのでさっさと移動開始であります
年寄りを連れての旅路とはいえ、割と元気なほうなので
あれこれと地下鉄やなんだかに乗せて歩かせていきます


まずは、前回も訪れた打狗鐵道故事館

前回も居た古い車両展示

前回見られなかった奥の広場、車両が山ほど居ました
しかも扇状車庫みたいなレール跡がいっぱいあって
貨物列車の巣であった面影を楽しめるのである

特に何か変わったところがという話でもありませんが、
前回訪れたときは、工事中であんまりあれこれ見られなかったので
もう一度みたいと寄ってみたんだが、
前回工事の理由が寄ってみて初めてわかったのでありました


ライトレールの駅が出来ていたのですな

高雄ライトレールが新たに開通したと聞いてはいたのだけども、
これの駅を作るために、工事をしていて広場にいけなかったと理解、
ちょうどライトレールもやってきたので思わず写真に撮ったのでありますけども
割とゆっくりと走る乗り物のようで、今回乗ることはかないませんでしたが
また、機会あれば、こいつに乗って、あっちこっち行こうと思うのである

あまり時間がないので、ここはひとまずこれくらいにして
また帰りに寄ろうと先を急ぐのである

前回も通った道なので、わが道のようにすたすた歩けてしまい
なかなか高雄通になったのではないかと一人ほくそ笑んでいたのでありますけども
こっからは前回と違い、フェリーに乗って島に渡ろうという
壮大な計画を立てていたので、フェリー乗り場へと向かいます


町並み、相変わらずレトロな建物がリノベで利用されています


鼓山輪渡站に到着

そして、フェリー乗り場に到着、
このフェリーに乗って、旗津半島に渡ろうという冒険である
前回は、このフェリー乗り場をやり過ごして、本島側にある英国領事館とか行きましたが
割と簡単に渡れるとのことらしいので、おっかなびっくりフェリー乗船を試みるのでありました

到着してみるとちょうど船が出たところらしく、一本足止めを食いましたが
これがまた凄いといっていいのか、15分もたたないうちに次の便がやってきて
相当の交通量だと伺うことができたのでありました
チケットは購入せずとも、遊悠カードで通り抜け可能でしたので
あっさりとパス、カード使うと片道なんと20元という安さでありました
これだけで、カード持っててよかったと思えるほどであります


ともあれ、新しくやってきた船にいよいよ乗船、
島へと向かい出発いたしました