マビック フリーのシールドベアリング グリスアップ

前回マビック・キシリウムのフリーを分解しました　今回はそのフリー本体に
圧入されたシールドベアリングのグリスアップを行います




MAVIC KSYRIUM マビックキシリウムのフリーボディです　これにはシールドベアリングが
1 個圧入されています　この表のゴムシールが変形しています　これの原因は思い出せない
のですが　一度取り外しグリスアップを行いましょう






フリーボディを裏から見ると　ベアリングに一枚
スペーサーが引っ付いています　これはハブ側の
ベアリングとの間に挟まっている物です



　
このケースの奥にベアリングが見えています
引き抜き用のプーラーは持っていないので
ベアリングはこちら側から抜く事にします
ベアリングの内側のリングに当て物をして
打ち抜けば良いでしょう






そのリングに合うサイズの物なら前回分解した
このボルトの寸法が合います　フリーの表側から
ベアリングを押えていたボルトです






ボルトをフリーケースの中へ入れ　ベアリングの
裏側に当てます　当然ですがサイズはぴったりです
この頭を叩きベアリングを押し出せば良いですね




ただこの状態ではフリーボディの奥に有る　ボルトの
頭を叩く事が出来ません






工具箱にアルミのパイプが有りました　以前にやはり
回転部分のメンテナンスに使った物ですが　これが
ボルトの頭に丁度合いました






バイスの上にフリーを置いて　このアルミパイプを
叩いてやれば良いでしょう　でも私も始めてする事
なので上手く出来るかは　やってみないと分りません




バイスにウエスを敷きフリーをセットしました





行きます！　と言っても一発目からガツンとは行きませんよ　
コツコツと手応えを感じながら優しく行きます　新しいベアリングを
用意していませんから、壊れたらお手上げです






何度も状態を確認しながら打ち抜きました
真っ直ぐに抜いてやれば　それ程難しい
事では無かったです








ベアリングもフリーのケースにも問題はなさそうです






両方ゴムシールドのベアリングです　シールを
先の細い物を隙間に入れ　ゆっくりと外します






シールを外し中を見ていると　表裏でグリスの入り方が
違うのに興味を引かれます　グリスの汚れもなく回転も
スムーズです　このまま蓋を締めようかと思う位です
何年も使った状態なのにとても良いコンデションです




しかし折角蓋を開けたのにしっかりと最後まで
整備はしてやります　各パーツを綺麗に洗浄
しました






新しいグリスは SPIN スピンを使います　表面に薄く
塗布するだけで良いと言われ　雨にも強いと聞いて
います　信頼出来る社長や担当者の方に聞いた事は
無条件で信用します　この綺麗な色は整備意欲を
掻き立てられますね






洗浄したベアリングケースに　先の細い物でグリスを
取り　少しづつケースの中へ入れて行きます




左右からグリスを入れベアリングを廻し　肝心な
ボールの部分に入っている事を確認しました

こんな事をしていると　最初のグリスが入っている
時に気持ち良く回っていた物が　洗浄する事で凄く
トゲトゲします　そしてこの様に違うグリスを使うと
また手応えが変わります　色々な事が体験出来て
大変面白いです






外していたシールを元に戻します　このゴムシールは
金属板の上にゴム系の物がコーティングされています




ケースに規格が印字されています　良く読めなかった
のが残念です






では元に戻します　フリーのベアリング用のハウジングに
薄くグリスを塗ります　錆止めと圧入時の潤滑効果を期待
します






ベアリングを上に乗せ指で押してみました　面取り
部分が入るだけでそれ以上は無理です






外す時に使ったフリー取付けボルトを今回も使います
ベアリングに差し込みます




ここは慎重に叩きます　斜めに入れるのは厳禁です　
ハウジングを歪ませてしまうと元に戻せず破棄をする
事になります






先が少し入ったら　手に持って叩く事にしました
ボルトをベアリングの内側のリングに当てているので
あまり強い衝撃を与えたくありません　この作業は
ベアリングの外周ケースに工具を当てたいですね

上手くベアリングが奥まで圧入出来ました　回転に
問題も有りません






歪んでいたゴムシールドはフリーの内側に使い
綺麗なシールを表に出しました





今回の整備は絶対の自信が有った訳では有りません　私も始めてする事でした
誰でも初めての事は有るわけで　やってみないと何時までも出来る様になりません
やって見るとどうにかなる物です　そんな事って多く有りますよね

高性能なグリス SPIN に変えても　最初のグリスの状態が良かった事も有り
激変するものでも有りません　でもこの様な事は長く使った次の整備の時に
何か感じさせてくれるでしょう

前回の作業　【 マビック キシリウムを整備　フリー分解 】

次の作業　【 マビック KSYRIUM　フリーのグリスアップ 】