森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

約束

2007-04-07 02:06:40 | 詩、小説

 

―ねえ、あなた  
あたしのこと覚えていますか。
  

あの時、同じ「時の欠片」を握り締めていたじゃない。
同じものを見たよね、一緒に笑ったね、あたしの涙の訳を分かってく れたよね。

 

お互いに写しあった写真の中のあたしは、しまい込まれたアルバムのどこかで笑っている。
だけど、あの時あなたと感じた、夜の深さや雑踏の中の寂しさや何かを見つけた喜びは、記憶のひだの中で眠っている。

 

日々と言う日は単調で平凡、繰り返しては過ぎていく。
寄せては引いていく、海の波のようだね。
波打ち際で崩れる泡の中に、ささやかな微笑や忘れてしまいたくない悲しみも紛れて砕けていく。―

 

―少女が耳元でカタカタとパンドラの箱を振っている。
フフフと笑いながら去っていく少女の夢を見た。

 

「ねえ、教えて。
その箱の中には、まだ「希望」は入ったままですか。」

 

「あの木の下で待っていて。冬が過ぎたら教えてあげる。」
夢の中の少女はそう言った。―

 

―どうしてよ、どうしてあなたはそうなの。
誓いの言葉は、時が経てば嘘に変えてもいいものなの。
意思を持たないあなたの心は、何も考えることなんてないんだね。
又、時が経てば、何事もなかったかのように平穏な日々が来ると信じているんでしょ。あなたを許すのは私、それとも時間なの。―

 

―ねぇ、あなた
あたしの事覚えていますか。

 

あなたは忘れてしまってもいいよ。
だけど、あたしは覚えていたいの。
心のひだに留まっている「時の欠片」を取り出して、
必ずやって来る季節のしるしのその時に
翳して見よう。―

 

―「私ここで待っているね。」―

 

いくつもの交差する想いがある。
巡れば必ずやって来る、約束の「時」は来た。
サクラ咲く、全ての想いを受け止めて。

 

 

 ・・・・・・・書き直しては見たけれど、やっぱりちょっと難しい??

 

 

 

 

 

 

  

 


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