知っていますか? もう今日で「百鬼夜行抄」も最終回です。6月にDVDが出るそうですよ。噂ではテレビ放映されていない3作分を追加しての発売だそうですが、本当のところはどうなんでしょうね。でも、そうしたらあまりに深夜で見ることが出来なかった人も、放映さえされていなかった地域の人も、見ることが出来ますね。
それで、時間に追われ書くことが出来なかった「呪いの簪」と「南の風」の感想を簡単にメモしておきたいと思います。
司の見合い話を絡ませた「呪いの簪」。ただ見合い話は絡ませただけであまり意味はなかったですね。原作の「百鬼夜行抄」の魅力は登場人物が、個性際立っていて生き生きしている所にあると思うのです。律の話だけではなく、その祖父伶と祖母八重子の若き日のラブストーリーは心ときめく面白さがありますね。その、若き日の伶がちらりと出てくるのが、印象的でした。
また成り行き上、律と司が抱き合っていたりする場面に母の絹が嬉しそうな顔をしているのが、なにげにおかしかったです。ただ、こんな霊感少年と少女のいとこ同士のカップルは、その将来が不安ですよね。
とにかく短くまとめなくてはいけないので、ざっくり原作を組み替えて、その雰囲気を損なわないようにしながら作り上げているので、もちろん原作とは違います。青嵐の扱いと、律と司の関係の違いが、やはり気になるところですが、器が器なので仕方がないと思っているのです。
人には見えないものが見えたり霊感が強い方が「強い人」と言うイメージがありますが、何も見えず何も感じない、ゆえに何も寄せ付けない、そういう人の方が本当は「強い人」なのかもしれません。八重子のように呪いがかかっている物でも、運のいいものに変えていくことが出来るのですから。
何も感じない八重子には何も害のないものでも、霊感少女の司には違います。睡眠不足の司を助けるために、握り石になるように水晶を渡した八重子でしたが、その水晶は妖魔の種でした。妖魔は司の命を吸い取って大きくなり、司は弱っていくという「南の風」。水晶を割って生まれた妖魔は尾白、尾黒の棲家である桜の木に取り付きます。そのために弱っていってしまう、尾白尾黒。
律は司のために、そして尾白尾黒のために闘おうとします。ですが、そのとき、前に庭で見かけた翁の姿をした妖魔が現れて、律を止めます。
「これは、世の中の醜いものばかりを見てきた哀れなやつなんだ。だから、おのれ自信も醜い姿になってしまったのだ。お前を美しい姿に変えてあげるからね。」
木に取り付いていた妖魔は木の中に消えていき、律は満開の桜の桜吹雪の中に立っていました。
桜の精かと思われる翁役の高橋昌也さんが、はまっていましたね。
でも、この事件を仕組んだのも鬼灯ー赤間なんですが、このドラマの中では唐突に現れるんですよね。原作ファンなら、そのダークさが魅力的な赤間ですが、このドラマを見て作品ファンになったという人には、いささか説明不足なのではないでしょうか。