森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

あるよ!<1>    「デトロイト・メタル・シティ」

2008-09-13 18:17:11 | 漫画・マンガ・まんが

私がいくら映画好きでも、見たい映画を軒並みに見るということは、叶う身分ではありません。でも、映画好きなのでやっぱり見る予定のない映画でも、面白そうなものはチェックしてしまいます。

例えばある日、

  

こんな画像をチェックしていました。「セクシーボイス&ロボ」から松山ケンイチのファンです。(『L』じゃないのよね。)でも、この映画は「いつか」のお楽しみです。

後ろからルート君(我が家の次男です)が、ちらりと画面を覗きましたので
「意外とこの映画、好評らしいよ。漫画が原作なんだよね。」と、私が言うと、彼は一言
「あるよ、それ。」と言って持ってきてくれました。

   と言うわけで、「デトロイト・メタル・シティ」の感想です。

一番最初に、この帯のコピーに笑えます。

「申し訳ありませんが・・・・クラウザーさんが苦悩する度に笑えます。」
by ハロルド作石

そしてこの漫画の感想は、この一言に尽きると思います。

 はっきり言って、私の得意な漫画分野ではありませんが、思わず誰もいない深夜の部屋でプハハと笑ってしまい、思わず周りを見回してしまったと言う思い出が出来ました。
 余談ですが、そういう自分らしくないことをしてしまった時に、なんで周辺確認をしてしまうのでしょうね。後ろに誰かが立っていたらそれはそれで、とっても恐ろしいことですが。

インディーズ界デスメタルのカリスマ「クラウザーⅡ世」のその実態はお洒落な音楽が好きな心優しき青年根岸崇一.。

一番の嵌ってしまった場所は、その根岸君が実家に帰って、すっかり崇拝者になってしまっている弟に、クラウザーさんになって勉強を教える所です。

「信長を殺したのは?」
「クラウザーさん!!」
「確かに裏で糸を引いていたのは我輩だが・・」

と言うわけで、最初に言ったコピーの感想にまたも行き着くと言うわけです。

 

 いつものジャンルと違うものを読むと言うことも楽しいことですよ。
疲れて閉じたノートパソコンの上に、行儀悪くあごだけ載せて休憩している所を子供に目撃されても
「クラウザーさんの生首。」とボケることが出来ますから。

 

しかし・・・
なんでもあるのね、子供の本箱。
 

 

 

デトロイト・メタル・シティ 1 (1) (ジェッツコミックス)
若杉 公徳
白泉社

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「グーグーだって猫である」

2008-09-13 00:02:10 | 漫画・マンガ・まんが
グーグーだって猫である〈2〉
大島 弓子
角川書店

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この本を買ってくれた(『母の姑息な陰謀』参照)ラッタ君が「一冊で良かったかな。」と言いました。なるほどそれも分かります。

「グーグーだって猫である」の一巻は、どちらかと言うと
大島弓子が大好き、または猫が大好きという人の漫画のような気がします。

グーグーとビーとの出会いとその育児日記。なんとなく「猫好きの猫好きの為の猫日記」なのかと思ってしまいます。でも、その終わりに劇的に物語に転機が生じるのです。物語の転機は、すなわち大島さんの転機です。

 

ペットは家族。

その言葉は簡単です。でもペットにも病気のときもあれば、老いもやってきます。

ともすれば私たちは、彼らが去っていくことばかりを考えてしまいますが、その逆もあるわけです。

 

大島さんが書いた遺言書が心に残りました。

 

 そして、この物語はさらに詳しく書かれた2巻目以降に「猫好きのための・・」と言う枠も超えて、その世界に私を引きずり込むのでした。

退院の日にやってきたクロ。そして、公園で出会ったタマ。

 

私は2巻目の終わりから登場するタマのお話を、涙なくして読むことが出来ませんでした。

ここからはちょっとネタバレです。

ホームレスの男から猫疥癬の猫を引き取り、治療して慈しんで飼う大島さん。どうしてそんなことが出来るのでしょう。

読んでいると、どんどん胸が痛くなってくるのです。

そして、彼女が勘違いをしていたのだというくだりは、ハラハラ落ちる涙を止めることはできません。

猫が病気でも放置で、いっけん猫を無造作に扱っているように見えたホームレスの男性。あまりに惨めな猫の外見でしたが、虐待などは受けていなかったのです。それは、人を決して怖がらないタマの態度で分かります。そして公園に連れて行くと、タマは自分を連れていた男性を探して、いつも彼が座っていたベンチに行くと、じっとその場所を見つめているのです。

そして、彼女は気が付くのです。猫のことを思うあまりに、自分はその猫を可愛がっていた人から、猫を引き離してしまったのだと、相手の男性の気持ちを思うところ、感謝する所は、まるで詩的な短編小説を読むようでした。

 

三巻以降は、大島さんの猫愛も加熱して展開していきます。

 

9月6日公開の映画の方も順調にヒット中のようですね。行く予定の日も近づいています。予告編ではどう観ても猫がいっぱいと言う感じではないので、どんなお話なのか楽しみにしているんです。

 

 

 暑いとは言っても、暦の上ではもう秋。読書の秋の一冊に漫画じゃないと言わずに、大島弓子の猫愛の世界を垣間見てみませんか。命あるものにきっと優しい気持ちになれますよ。

 

 

コメント (4)
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