5月に読んだ漫画の感想です。
図書館にあったので借りて読んだのですが、読み進めていくうちに、このコミックを私は持っていることに気がつきました。整理されていないでしまい込まれている私の漫画たち・・・・・
またやらねばならぬことを、見つけてしまったような気持ちになりました。
常に手に取れるように整理してあったならば、「あれが」この作品の冒頭なのだったのだと、迷う事もなかったのでした。
「あれが」と言うのは、この冒頭のシーンの美羅の夢のシーンです。
白い鳥の美羅に黒の鳥の姿の少年が叫びます。
「ミリディア~ン!!」と、最初は途切れるような小さな声で、だけどそれは毎夜々見るようになっていき、少年は美羅に助けを求めているのです。
断崖の上から叫ぶ少年のシーンに、くぎ付けでした。
なんだかワクワクしてー。
またはドキドキしてー。
これは1982年の作品で、私がまだ母になる前のものです。
この物語の全体を私は忘れていき、そしてこの冒頭のシーンだけが記憶の沼に残っていたのでした。
その後、私は多くの「好き」と出会いました。
そしてある時気がついたのです。
私の「好き」の底辺にあるものは、「誰かが何かを叫んでいる」なのではないかと。
それを想う時、いつもこの作品の冒頭のシーンを思い出してきた私です。
かと言って、この物語自体は、異世界ファンタジーもしくはSFです。
ただ異世界の黒の王の正体などを考えると、やはりファンタジー色が強いのかなと思います。美しく育った青年ラドリ・マッキャベリと美少女の美羅。
楽師たちの愛、王子の愛、そして二人の愛。それらがさりげなく冒険と戦いの合間に描かれていて、少女漫画の王道のような気もしましたが、望都氏が描くとそう感じさせない所が良いですね。
すっかり忘れていたから驚くことも出来たのですが、この作品には下半身が繋がった双子の兄弟が出てきます。兄は顔は醜いが知能があり、弟は顔が美しく「天羽」を呼び寄せる力がありますが知能が未発達なのです。この設定って・・・ !
これが「半神」に繋がっていくのだなと思うと、「わぁ~♪」と言う気持ちになりました。
だけどこの兄弟に起きた事を思うと・・・・ちょっと胸が痛かったです。
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