頗る混んでいると噂があったので、家事など何もせずに〈オイオイ!!〉朝いち待ち合せて上野のお山の東京都立美術館の「モネ展」に行ってまいりました。
朝いちの待ち合わせと言いましても、上野駅改札口で9時半の待ち合わせ。今回の私の相棒は姉です。
美術展には関係はありませんが、最近東京に行く時には、何でか必ずと言っていいほど事故や故障のために遅延が生じ、思ったようにはいきません。本当は姉のように、
「落ち着いてられないから、早いけれどもう出るわ。」と早く家を出て、ひとつ前のバスでスタートすれば良いのですよね。
だから9時半待ち合せでも、本当は45分ぐらいになってしまいました。
なんでこのように時間に拘って書いているのかと言いますと、この「モネ展」、会期がもうすぐ終了です。
はっきり言って私たちすべて上手くいきました。長蛇の列を敢えて楽しみたくなければ、早い時間に行く事をお勧めします。
やっぱりモネは人気があるようです。
光と影が織りなす点描の世界。優しい色使い。睡蓮と言う題材。そのために庭まで作っちゃって・・・・
なんて言うか女性好みのような気がします。
私もそんなイメージで、過去にも彼の展覧会に足を運びました。
そして今回も印象派の巨匠だし、本物の絵画を生きているうちに出来る範囲で見続けたいと思っているものですから、これは是非行かなければと思っていたのでした。
だけれど今回の「モネ展」はマルモッタン・モネ美術館所蔵の作品たちで、モネ自身が最後まで手元に置いていた作品たちが展示されています。
テーマも6つに分かれています。
友人だったモーパッサンが彼を訪れた時に言った言葉、
「彼はもはや画家ではなく狩人だった。」は、ものすごく印象に残ったナレーションでした。
展覧会と言うものは、企画とその見せ方で、こんなにも画家の印象が変わるものなのかと思いました。
今回の「モネ展」では彼の内面にものすごく迫っていて素晴らしいと思いました。私の中では今までの甘い印象ではなく、ほんの少しだけ本当の彼に近づけたような気がしたのでした。
特に、白内障により視力を失った時に描かれた作品が並ぶ「最晩年の部屋」は立ち去りがたかったです。
人は何かを失うと、何かを得る事があるのだろうかと、私自身この夏にそう思う経験をしたばかり。
この展覧会の解説に
「白内障の手術後も破棄されず、モネが生涯手放さずに残した作品です。」と言う文が載っています。
― 破棄なんかするわけないじゃないの。これは期間限定の、その時にしか描けなかった絵であり、人生からのギフトだったのではないかとそう思ったのでした。
だけれど、そのあと解説は
「手術後モネは、それ以前の数年間に描いた多くの作品を破棄しました。今日に伝わるこの頃の作品は、衰えた視力で描いていたとしても、画家自身が認めた作品といえるでしょう。」と続きます。
ふと耳に入って来てしまったよそ様の感想。
「視力を失ってヤケッパチになっちゃったのかしら。」
「えっ?」と心の中でそうは思います。
だけど言葉はともかく、その絵筆の先から彼の苦悩や一人闘う何かを感じた方は多いのではないでしょうか。多くの作品を破棄したモネ。人生からのギフトなんてそんな甘い言葉では言い尽くせない何か。
そんなものを感じる事が出来る「最晩年の部屋」でした。
しかしこの部屋の絵たちは、その荒々しいタッチにドキドキした後は、絵に沿って出て行かないでちゃんと5mほど離れて見て欲しいと思います。
花咲き乱れるバラの小路、光にあふれる橋の風景に心奪われる事と思います。
私のお気に入りは、やはり今回の特別出典の「サン・ラザール駅」、「霧のヴェトゥイユ」などです。
「ジヴェルニーの黄色いアイリス畑」
「睡蓮」
画像はみんな絵葉書から。
モネ展HP→こちら
マルモッタン美術館とは→こちら
モネの睡蓮をあれやこれや見たかったら→こちら
チラシです。
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※ 大好きなろこさんのブログの記事にて、私には「最晩年の部屋」に心惹かれる下地があったと思います。
ありがとうございます♪
その記事は→ 逆境に立て見えるもの
本物に触れると何かを感じ取って心を揺さぶられますね。
kiryさんの実況中継のような描写が実際にモネ展会場に行っているようで臨場感にあふれていて、楽しかったです。
駅から会場へご一緒したようでお姉さまと三人で鑑賞しているような錯覚さえ覚えました。
ありがとうごおざいました。
楽しませていただきました。
>実況中継のような描写
おだてられて、なんだかこれからも張り切って木に登ってしまいそうです(笑)
>本物に触れると何かを感じ取って心を揺さぶられますね。
歴史を感じさせられる名所などを見て歩くのも好きですが、本物の絵画は、それらと同じ重みを感じる事が出来るので好きなんです。
画家の人たちが絵筆をとったその時と、今、見ている私たちを結びつける作品たち。
なんだかロマンも感じます♪