(神奈川県小田原市国府津)
元々この地には諏訪社が鎮座した。正暦五年(994)国府津の湊に束帯の貴人を乗せた船が漂着し、村人は貴人に饗応して村人の家に住まわせた。ある夜、村人が夢を見た。貴人が京の菅原様を崇敬すれば幸多しと夢告し目が覚め、貴人の部屋に向かうと姿はなく、菅原道真の絵と、松と梅の木が植えられていた。村人はこの絵を村の鎮守である諏訪社に祀り、その後は天神さんと呼ばれるようになった。境内には神木の椋(むく)の木と、鎌倉幕府御家人工藤祐経を仇討ちする曽我兄弟が身を隠したと伝わる隠れ石がある。