川の名は、江戸時代の書物に長良目川として見える。
由来知らずであるが、いわゆる好字名であるのか、藤原長良という人物に関係するのか、何れにせよ長良川を対比したに違いないと思われる。
小さな渓谷を思わせた下流域は、砂防措置によって変わってしまったが、上流域は田畑の裾を通る昔の姿を留めている…。
(2005年7月21日の日記から)
凡そ十年に一度位の割合で訪れる奥三河花祭りの里。
些か以前より閑散とした印象を否めないが、温泉ができ、場所によっては進化を遂げていた。
バスは民営から町営へと変わり、町文化拠点は衰退をみせていたが、近隣町村と合併をせず独立の道を歩むところは、将来を見出すところがあるのだろうか。
温泉に浸かった後、ナイアガラといわれる大千瀬川鷲の渕の滝で夕涼みをし、釣瓶落としの山間、東栄を後にした。
(和歌山県伊都郡高野町 世界文化遺産 国指定史跡 国指定重要文化財 2004年10月3日参拝)
商都堺を出発、南海電車天下茶屋からこうや号で河内平野を東進、紀伊山地へ。乗客は流石に平均年齢が高い。よって手洗いには行列が絶えなかった。橋本を過ぎると、近郊路線から山岳路線へと変わる。そして紀ノ川を渡り、軋み音を絶えず起てながら30km/hの低速で登り始める。立山線を思い出した。学文路と書いてカモロという駅を過ぎ、周りには緑と霧が押し迫る感じになってくる。隧道間の面持ちのある小さな駅を幾つか数えると民家の全くない猫の額のような場所につくられた極楽橋駅に着いた。
聖域突入
極楽橋駅は鋼索線に乗り換えるためだけの駅といってよい。鋼索線は標高差330m、864mを5分で登る。そして頂駅に到着。ここもバスに乗り換えのためだけの駅。一番手前の伽藍、女人堂まではバス専用道となっており、徒歩で向かうことはできない。否応無くバスに乗る。終点奥の院で下車。木立の参道を進んで行くと、霊界の風を浴びるかの様に冷たい霧に包まれ、無数の墓標が立ち並んでいる。濃緑と黒灰色の視界。そこに柿色の袈裟をつけた僧侶が参拝していた。どうやら高野山の僧ではないようだ。
三拝
禅宗僧侶であることがわかった。各伽藍を順番に参拝する禅僧の後をつき、同様に仏前で低頭した。辺りには団体向けガイドが多数生業にしていたが、どれも上からものを言う、いわゆる説教口調で案内している。仏教関係の高飛車さがここにも露呈していた。時間がないので、掻い摘んで総本山金剛峯寺へ。そして女人堂から徒歩で鋼索線乗り場へ向かおうとしたが、やはりバス専用道であり、同じ道を進むことはできなかった。然し途中、乗り場への看板が立っている道があったので、行ってみることにした…。
勘違い
その道の入口に500m先工事につき通行不能という看板が立っていた。然しすぐに人が登ってきた。「女人堂まで何mですか?」と聞かれ、「300m位ですよ」と答えた。今度はこちらが「極楽橋から来られたんですよねぇ」と聞き「ハイそうです」と返答がきた。…ということは、取り敢えず通行できるということだ。舗装されてはいるが、急な坂道を下ること暫し、周りの人気の無さでフッと気づいた。極楽橋は鋼索線の頂駅ではないことを…。今更戻ることを躊躇い、このまま下ることとした。然し道のりは遠かった…。
極楽橋駅
(秋葉街道 静岡県浜北市貴布祢 2005年6月8日)
今月限りで消滅する浜北市。三方ヶ原北側に位置し、天竜川の恩恵を受けた地は、歴史も豊富である。「浜北人」の人骨出土地を始め、今月11日に現地説明会が行われる市内所在中通遺跡では、1万年前の煙道付炉穴を持つ旧石器遺跡や、江戸時代には遠州大念仏という踊り念仏から生まれた民俗芸能も盛んである。
旧平野家長屋門 江戸末期
図書館・ホール・生涯学習センター及び商業施設の入る、なゆた浜北
政令都市になるこの地も、歴史を忘れないよう進んでほしいと思う。
…には法の裁きを行った建物がある。
都心にありながら、広大な敷地に自然と戦前の面影が残る。
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(愛知県幡豆郡幡豆町 2005年5月31日)
三河湾に面する幡豆(はず)の地に訪れるのは四度目。静かな漁村的雰囲気を持つ地である。南に面した地形から、温暖で原始からの人の居住には適していた。各時代の人々の痕跡は均等に見られるが、古墳が比較的多い。それは起伏の激しい地形によるものと思われるが、この地が人を祀ることに相応しいと選ばれた訳でもある。
今回は前回と重なるが、歴史民俗資料館、町立図書館、小笠原氏の寺部城跡及び寺部廃寺跡と、寺部太山寺薬師如来の威光がかかり、石工らが削り取ることができなかったという、隣接する小野ヶ谷川床からそそり立つ「立岩」、そして須佐之男社等を巡った。
(幡豆町記事:寺部城 東幡豆 とうてい山古墳 証文岩と水路 愛宕山 三州園ホテル 三ヶ根山 三ヶ根茶屋 比島観音 東幡豆駅 彦田神社 かんぽの宿三ヶ根)