(茨城県つくば市筑波 水郷筑波国定公園 日本百名山44番 式内社 旧県社)
筑波山神社の境内地であり神体である筑波山は、標高871mの男体山と877mの女体山からなる。平坦な茨城県の中で、福島県から連なる八溝山地の南端にあたる。故に存在が象徴的なものとなりやすい。山頂に本殿が鎮座し、人格神として男体山を伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、女体山を伊弉冊尊(いざなみのみこと)と例えている。奈良時代には中腹に筑波山寺が創建され、後に筑波山知足院中禅寺となって筑波山神社と習合した。然し神仏判然令によって中禅寺は廃寺となり、跡地に筑波山神社の拝殿が造営された。拝殿横の日枝神社と春日神社は中禅寺の鎮守社であり、寛永十年(1633)徳川家光の寄進という。現在は倭健命(やまとたけるのみこと)と豊木入日子命(とよきいりひこのみこと)を配する随神門(市有形)は、文化八年(1811)に再建された中禅寺仁王門であり、寺院時代の名残がみられる。参道の屋根付神橋(県有形)も徳川家光の寄進という。