
黄金に熟し、穂が垂れた秋の田。その脇に彼岸花が群れ咲いている。
午後2時半を過ぎての雨に持って出た折りたたみ傘を開いたが、肩先やひざ上から足元にかけてかなり濡れてしまった。
家の近くまで帰ってくると、顔見知りの高齢のご婦人が車椅子にもたれるように立って、タオルで頬被りをしている。「小止みになったのでお使いに出ようと思ったんだけど、また降ってきたねえ」と言われた。
ジャンバーのようなものを羽織っているが、傘を差さずにタオル1枚ではすぐにびしょ濡れだろうと想像できた。こんな雨の中をと思っているうちに、腰を下ろし素早く方向転換させると婦人はすっと出て行ってしまわれた。私は「気を付けて」と声をかけただけ。
ウォーキングから戻ったときのこと。人助け、マイナス1点!? 一人暮らしの彼女に代わって買い物をしてきてあげるべきだったのか…。たずねてみるべきだったのかしら…。