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京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

耳から

2018年11月12日 | 日々の暮らしの中で
「あの比叡山が848メートル」
「あれで1キロないんやな」

ランドセルを背負った下校中の少年二人が比叡山を遠望しながら道路の横断手前で立ちどまって話をし始めた。3年生ぐらいに見えた二人、848m・1000m・1km、これらの認識がちゃんとなされている。今日は授業で単位の勉強でもしたのかと二人のやり取りを聞いていた。 

「だけど、山はさあ、斜めに登るから…」
(1キロ以上あるよね)ときっと言いたかったのだと思う。B君には聞こえなかったのか、横断を始めてしまった。標高と麓から山頂に至るまでの距離との違いをB君に説明したかったのだ。〈1キロ〉を具体的にイメージしようとしたのだろうか。

ほんの数分、偶然耳にした会話はこれだけのことだった。でも、いろいろなことを想像させてもらいましたよ。少年たちの性格とかまで。もう少し話が続いていればよかったのに。帰ってからA君が言っていた比叡山の標高を確かめてみたら、848mで正解だった。
「心に光が入るのは耳からです」とヘレン・ケラーは言ったとか。



コメント (6)
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