京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

「大和しうるはし」

2018年11月07日 | こんなところ訪ねて
〈なんと美し平城京〉、まほろばの国を訪ねて。


714年に藤原不比等によって中金堂が建てられ、726年に聖武天皇が東金堂を建立し、734年光明皇后が西金堂を造立。これは、飛鳥寺と同じ三金堂形式と同一の伽藍配置、なのだとか。

藤原氏の氏寺、興福寺の中金堂が江戸時代に焼失して以後300年ぶりに創建当時の様式で再建された。10月7日に落慶法要を済ませ、一般に公開が始まっている。内陣に、きらびやかな本尊は釈迦如来像、法相宗の祖師を描いた法相柱もある。
この時代を描いた小説には何があっただろうか。思い浮かぶのは『穢土荘厳』(杉本苑子)くらいだが、少しだけ時代はずれそうだ。

 
      中金堂から五重塔を望む               阿修羅像がおはす国宝館     

 
  
やはり逢いに行って来なければと、法華堂に不空羂索観音をたずねもした。どっしりと立派な観音像。少し仰々しいけど?好みだ。ここには心静まる特別な空間がある。

天平人もこんな真っ青な秋の空の下を往来していただろう。今日は立冬。何とも眩しい日差しのもと、人、人、人であふれる奈良公園界隈に遊んだ。
一人で静かに時間を過ごしたり、ゆっくりものを考えたり空想したりの時間は必要で、そんな時間が気持ちを満たしてくれるのだけれど、まあ、このエリアは人気のスポットでもあり、自分一人になることは求めにくい。
ただ、観音像の前で何を願うでもないまま、しばし時間を過ごした。そうした自分の内面に向き合う時間は作り出さなくてはならない、と思っている。




コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする