京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

平安時代の内裏跡

2021年11月09日 | 日々の暮らしの中で
あたたかな朝を迎えたが、昼からはぐっと冷え込むようになった。冷たい風に帽子を飛ばされそうになりながら、小一時間歩いた。


朝刊の一面に、平安時代の内裏の跡が初めて見つかったという記事が載った。皇后らが住んだ登華殿と弘徽殿の遺構とのことだ。
見つかった建物の柱穴5基は、794年の遷都当初のものとみられ、地面を掘って柱をそのまま据える、掘立柱という縄文時代からの伝統的な建築様式だったと伝えていた。これまで礎石建ちと理解されてきたのだという。

技術の継承も、新たな発見も、どちらもすごいなあと思う。そして「枕草紙」「源氏物語」につながることなのだが、…うん?? ちょっと自分の反応が鈍くなっているのを感じる。
学生時代には中古の文学に強い関心を持って臨んでいたが、すっかり黄ばんで、小さな小さな文字の文庫本『平安朝の生活と文学』(池田亀鑑)などわずかを手元に残して、多くの学術書、書物は手放した。あの頃の情熱みたいなものはもうない。でも純粋に文学を楽しむことへと様変わりしたのだ、…と考えておこう。

ムラサキシキブの実が、道路わきの茂みに残っていた。


     冷たしや式部の名持つ実のむらさき   長谷川かな女

コメント (2)
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