京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

木の葉雨の中を

2021年11月23日 | 日々の暮らしの中で
半月ほどいっきに季節が進んで、風があって冷たい一日だった。


木の葉が雨のように降ってくる。
アスファルトの上を吹き飛ばされて転がりゆくもの。散り積もる一葉となるもの。
雨上がりの湿り気と、散り敷かれた柔らかさを感じながら木の葉雨の中を歩いてみた午後。

無言で半日、お花を立てた。
「keiさんに任せて、〇〇さんは引っ込んだらどうや」と世話方さんに言わせるほど、任せちゃおけんとばかりに差配し続け、長生きの秘訣を身をもって示した義母。何のかんのと、ときに意地を張り合い共有してきた時間の長さがあるので、今となっては語る人のいない寂しさも大きい…のか。義母は、我が家が誇る文化財だったのかもしれないねぇ。なんてことを思いながら、半日が過ぎた。
南天の枝もたわわな赤い実が、小さな明かりをいくつも点している。


代代の女たちが、一代ずつ重ね継いで今に至る。その思いが支えとなり、滋養となっているのだろうか。
落ち葉の下からも、やがて新たなものの芽が吹く。
コメント (2)
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