京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

寄り合うぬくみ

2021年11月21日 | 催しごと

浄土真宗の宗祖親鸞聖人の御祥月命日にお勤めされる法要、報恩講が今日から(~28)東本願寺で始まった。
初逮夜に参拝したが、少ないお参りだった。ライブ配信の視聴が多いのだろうか。御影堂内は隣との間隔をあけて椅子が配置され、きわめて風通しよし。

    親しさの膝を寄せ合う親鸞忌   加藤利尾

畳敷きに座って場所を詰め合い、窮屈な思いをすることもあるが、この、人との近さで、寄り合う縁にぬくみを感じてきたのだった。


聴く力のなさを棚に上げてだが、やはり閉め切った堂内の方が法話のせっかくの言葉に聞く者の気持ちも向かうし、たったひと言でも心に残せそうだ。擬講の大学生の話は、気も散漫だったが専門家ではないので話が難しく、筒抜けだった。
わかったつもりにならなくていい。わからない、ということを抱えながら歩むことの大切さ。繰り返し、繰り返し聞くのが、聞法。…ふと腑に落ちる時がくる。出会える時がある。

私の所でも報恩講前の仏具の磨きものは女性陣の協力ですでに終了している。一年の中で最も大切なお勤めだが、末寺なりにも規模を縮小して準備は進む。

  しわしわと老婆罷りぬ報恩講       村山 故郷
  こんにゃくの煮しめの艶や報恩講     井上 雪

腰を伸ばしながら「おおきに」、「おおきに」と口々に、満足顔でお帰りになるのだ。そうそう、こんにゃくの艶もよくよくわかる。ガンバルかね。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする