
〈みほとけにささげまつらん〉 南天が今年は見事に実をつけている
今年度の当番に当たる組のご門徒さん方々には、とりわけたくさんのご協力をいただき、無事二日にかけて報恩講を勤めさせていただいた。
お参りの方々はお元気そうに見える。
が、この1年を振り返っても、元気だけという暮らし向きではなかったはずだ。様々に心配や不安、悲しみ、患いごとなどなど、憂いで心晴れない一面を合わせ持ってお過ごしだったろう。表も裏もさらけ出して、仏さまに救いを求める? 他者には見せない、語らない? 生き方にはいろいろあるが、時には喜びをかみしめることもあればいい。
うらを見せおもてを見せて散るもみじ 良寛
「人は誰しも弱いのだ。日々、心乱れ、悩み苦しむ」「順風満帆なときは何も考えず、当たり前と享受する。人の苦しみに気づかず、おのれを過信して傲慢になる。悲嘆にのたうち回って初めて気づく。人の痛みが我が痛みとなる。そうやって生きていくのが人間なのだ。それを心に刻み込んで受け入れていくしかない」
愚かな自分を知る。自覚せよ。
梓澤氏の描く空也の言葉が思いだされて…。