京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

うらを見せおもてを見せて

2021年11月28日 | 日々の暮らしの中で

 〈みほとけにささげまつらん〉  南天が今年は見事に実をつけている

今年度の当番に当たる組のご門徒さん方々には、とりわけたくさんのご協力をいただき、無事二日にかけて報恩講を勤めさせていただいた。

お参りの方々はお元気そうに見える。
が、この1年を振り返っても、元気だけという暮らし向きではなかったはずだ。様々に心配や不安、悲しみ、患いごとなどなど、憂いで心晴れない一面を合わせ持ってお過ごしだったろう。表も裏もさらけ出して、仏さまに救いを求める? 他者には見せない、語らない? 生き方にはいろいろあるが、時には喜びをかみしめることもあればいい。

     うらを見せおもてを見せて散るもみじ   良寛

「人は誰しも弱いのだ。日々、心乱れ、悩み苦しむ」「順風満帆なときは何も考えず、当たり前と享受する。人の苦しみに気づかず、おのれを過信して傲慢になる。悲嘆にのたうち回って初めて気づく。人の痛みが我が痛みとなる。そうやって生きていくのが人間なのだ。それを心に刻み込んで受け入れていくしかない」
愚かな自分を知る。自覚せよ。
梓澤氏の描く空也の言葉が思いだされて…。



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