京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

のちのよのひとのそへたる

2022年05月14日 | 日々の暮らしの中で

雨上がりの川面を渡る風がヒンヤリと心地よい。ただ少し強めで、枝葉の陰でうつむいて咲きだした柿の花を大きく揺する。蕾もいっぱいだし、日を改めて覗いてみよう。
若葉は日に日に濃さを増す。

「どこか行きたいねぇ」。つい口をつく。
朝のテレビ番組「旅サラダ」で賀来千香子さんが奈良へ、大人の修学旅行と称し春日大社・唐招提寺・薬師寺を訪ね歩いていた。真似しいみたいだが、そうだ奈良へ行こう。奈良国立博物館で開催中の「大安寺のすべて」展へと、ようやく気持ちがかたまった。


天皇が創建した初めての寺で、奈良時代前期までは日本一の大寺だった。今に伝わる奈良時代の仏像9体はいずれも腕を失い、修理されて補われた新しい腕を具えているが表面の傷みも激しい。
そんな像の一つ、持国天を見て会津八一が詠んでいる。

    のち の よ の ひと の そへたる ころもで を
              かかげて たたす ぢこくてんわう  

       (「大安寺の仏さま」『語りだす奈良 ふたたび』収 西山厚)
お会いしてきましょか。気分転換が大事。御本尊十一面観音立像も公開とあるし。
コメント (2)
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