京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

坂の途中で本を読む会

2024年11月07日 | こんな本も読んでみた
中古書店(ブ)を探し回って買い集めたぶんの『屋烏』まで、乙川勇三郎作品(時代小説)を読み終えたので、現代ものの『立秋』へ。これも読了。
これほど一人の作家に傾いて読み続けたのはいつ以来のことか。数冊ならあるが、これだけの数となるのは初めてかもしれない。

 

ブで見つけて、手に取ってみて、の作品だけではあるけれど、文庫本で買うと読後に読む「解説」が視野を広げてくれることもある。
ただ、知らなくてもよかったなと思う作家のプロフィールを細々と記されるのは、いいような迷惑のような…。

(ああ、終わるな)と思い始めると、どんな文章で最後が綴られるのだろうか、どう終わるのだろうかと期待が先走ってしまう。余韻がまた深い。
次から次と、結果、タイトルから作品の内容がすぐには思い出せない状態でいるけど、氏の文章を味わい、心に残った言葉も数多くある

ちょっと一服、のつもりで買ってしまった『よむよむかたる』(朝倉かすみ)


帯に
【小樽の古民家カフェ「喫茶シトロン」には今日も老人たちが集まる。月に一度の読書会〈坂の途中で本を読む会〉のためだった。
この会は最年長92歳、最年少78歳の超高齢読書会サークル。それぞれに人の話を聞かないから予定は決まらないし、連絡が一度だけで伝わることもない。この会は発足20年を迎え、記念誌を作ろうとするが、すんなりと事が進むはずもなく…】
とある。

実は先週末に地元紙で読んだ書評がきっかけになった。

コロナ禍で休止していた活動が3年ぶりに再開することになり、メンバーの6人が奇跡の全員集合を果たす場面から幕を開ける。
読書会の在り方がとても素敵に思えた。
課題図書を決めて本を読む読書会ではあるものの、本の感想だけでなく、順番に朗読し、読み方についても語り合う。声色を褒め、抑揚を讃え、物語から受けた印象を話し、独自の解釈も披露する、のだという。

20周年記念誌に86歳の会員女性がこう記したらしいわ。
「誘われるうれしさが、独り者の生活を、いきいきさせます」

どんな物語が待っていてくれるのか、楽しみ楽しみ。さっそく今夜からページを開きたい。

 

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