人中に出て行きたくてうずうずし始めているとき、まことによきタイミングで映画への誘いを受けた。今日限りというし、二つ返事で乗っかった。
「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」
途中10分の休憩をはさんで205分という長い上映時間だったが、退屈することもなく見入った。ナレーションは一切ないドキュメンタリーで、字幕を追わなくてはならないが、図書館でこれだけの活動をしているのかとまあまあ敬意を表したくなるものだった。
この本館は19世紀初頭の建築で、ボザール様式というのだそうで、分館が92もあるらしい。
なるほど憧れの世界最大の〈知の殿堂〉。
ニューヨークの文化人は一度はここを訪れているという。
就職活動の支援がなされ、何よりも市民の生活に密着している。利用におけるさまざまな分析が行われ、電子書籍と紙の本の割合、予約待ちの日数がかかる問題、市からの予算、その使用配分の問題などでは、ベストセラーや人気本を多くすれば将来必要になる本が手にはいらなくなると議論し、図書館の役目にも強い思いを向ける。
コンサートが開かれる。司書やボランティアを交えた意見交換、関係者の会議も頻繁で真剣そのもの。
市民向け講座があり、文化人を招いての公開ライブがある。参加者の聞き入る横顔が映し出されるがみな素敵だ。目がいい。
10代の子供をどう呼び込もうかと思案するスタッフたち。
ホームレスにも何かの方法で図書館を開きたい。居眠り禁止云々の規制を設ける案が出されると、ホームレスに距離を置きたくなる市民もいるが、条件を付けるより「わが街の文化を変えようではないか」と提案される。ぐっと感じ入る発言だった。
点字図書の触読法を丁寧に指導していた。「中指で読んでいますね、人差し指が敏感だから2本の指で、みなさんこうして…まっすぐ…」と手を添える。
民主主義の国らしく誰もが等しく恩恵にあずかれるよう、あれこれ方法を模索する姿は印象的だった。「目的を忘れてはいけない」と何度か耳にした。
公共性、啓蒙、そんな言葉が思い浮かぶが、人間の叡智を学び、役目を果たそうとする強い信念が頼もしい。
一個人としての図書館の利用度は高くないが、日々催しごと等には注意を払って情報収集している。
身近な図書館をいくつか思い起こしても、これほどの活気は伝わってこない。(知らないだけだろうか…)
「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」
途中10分の休憩をはさんで205分という長い上映時間だったが、退屈することもなく見入った。ナレーションは一切ないドキュメンタリーで、字幕を追わなくてはならないが、図書館でこれだけの活動をしているのかとまあまあ敬意を表したくなるものだった。
この本館は19世紀初頭の建築で、ボザール様式というのだそうで、分館が92もあるらしい。
なるほど憧れの世界最大の〈知の殿堂〉。
ニューヨークの文化人は一度はここを訪れているという。
就職活動の支援がなされ、何よりも市民の生活に密着している。利用におけるさまざまな分析が行われ、電子書籍と紙の本の割合、予約待ちの日数がかかる問題、市からの予算、その使用配分の問題などでは、ベストセラーや人気本を多くすれば将来必要になる本が手にはいらなくなると議論し、図書館の役目にも強い思いを向ける。
コンサートが開かれる。司書やボランティアを交えた意見交換、関係者の会議も頻繁で真剣そのもの。
市民向け講座があり、文化人を招いての公開ライブがある。参加者の聞き入る横顔が映し出されるがみな素敵だ。目がいい。
10代の子供をどう呼び込もうかと思案するスタッフたち。
ホームレスにも何かの方法で図書館を開きたい。居眠り禁止云々の規制を設ける案が出されると、ホームレスに距離を置きたくなる市民もいるが、条件を付けるより「わが街の文化を変えようではないか」と提案される。ぐっと感じ入る発言だった。
点字図書の触読法を丁寧に指導していた。「中指で読んでいますね、人差し指が敏感だから2本の指で、みなさんこうして…まっすぐ…」と手を添える。
民主主義の国らしく誰もが等しく恩恵にあずかれるよう、あれこれ方法を模索する姿は印象的だった。「目的を忘れてはいけない」と何度か耳にした。
公共性、啓蒙、そんな言葉が思い浮かぶが、人間の叡智を学び、役目を果たそうとする強い信念が頼もしい。
一個人としての図書館の利用度は高くないが、日々催しごと等には注意を払って情報収集している。
身近な図書館をいくつか思い起こしても、これほどの活気は伝わってこない。(知らないだけだろうか…)
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